今日もナマエは先生んちにいた。まあそりゃあそうだ、先生の娘さんなんだから。歳は俺と同じくらい、背丈は先生と同じくらい。そんなナマエに、俺は何度痛いめに遭わされたか知れない。いたずらっ子☆なんかのつもりなのかどうだか知らないが、ヤツは俺よりもじょうずに波紋を操れるのを良いことに、昨日はシャワーの水を爆発させ、おとといは俺のマフラーをバリバリにしやがったのだ。これを許してやれるほど俺は心の広いお兄さんじゃない。鼻歌まじりの背中にそろそろと忍び寄って、首筋に手をのばす。

「ジョセフ」
「うおッ!」
 くるりと振り返った口と目とがニンマリと弧を描いた。マスクのせいで呼吸が乱れる。屈んで深呼吸する俺の口許をマスク越しにナマエはつついた。
「ダメって言ったでしょ、驚かすのは。寿命が縮むのよ、確か」
「ぐ、わ……うおおォッ!!」
ナマエの練った波紋がばちばち弾けた、と思ったら吹っ飛ばされる。腰がデスクにもろにぶつかった。おーまいがっ、と呻いてうずくまる俺を指差して、リサリサ先生そっくりの声でナマエは言う。
「バァーカ」
 片目を閉じて冗談ぽく投げキッスをするナマエに手の甲を向けて振った。ジーザス、痛くって喋れたモンじゃあねえ。養豚場の豚どころか、ナマエの目は遥かに下等な生き物を弄ぶときのようなそれだ。とんだ性格の悪さにかえってせーせーするぜ。そっちがそんつもりならこっちだってぜってーぜってーぜってー降参してやらねーからな!
 後悔すんなよ!と小声で叫んで、ナマエの背中にむけて、マスクの中のベロを出した。

20090616

マ○ダファミリア(特に意味はない)


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -