「は、はあ、はぁ」
「おい、もっとケツ上げろって」


ぐぷ、と厭らしい音をさせて、硬く勃起した肉棒が臨也の膣を抉った。股の間から駆け抜ける快感と、生理的嫌悪でぞわりと背中が粟立つ感覚。四つんばいにさせられた臨也を後ろから犯している男が、荒い息を吐きながら細い腰を掴み直した。


「んっ…く…!」
「もっと声出していーんだよー?せっかく綺麗な声してんだしさぁ」


ずっと歯を食い縛ったり唇を噛み締めたりして声を抑えている臨也に、正面にしゃがんでいる男がニヤニヤと下卑た笑いを向ける。


「声出さないんならさ、お口空いてんだししゃぶれよ」
「…!」


そう言って、先ほど臨也を最初に犯したペニスを口元に近付けてくる。精液や臨也の愛液で濡れたそれは再び天を仰いでおり、早くも先走りの白濁を垂らしていた。


「…っそ、んな、汚い物を向けるな…ッ」


反射的に顔をそむけ、罵倒する。しかしそんな反抗的な態度は益々男達を煽るらしく、横から臨也の胸を揉んでいた男がギラギラとした目をして言った。


「強気だなぁ〜?大抵の女は一発ヤられたら大人しくなるけどよぉ、その分じゃかなり楽しませてくれそうだなぁ、お前」


確かに興奮した口調で言いながら、恐怖と羞恥、そして先ほどからの愛撫でピンと立った乳首をぎゅうっと摘む。


「いッ……っ、つ」
「‥おい、も…出すぞ」


痛みに顔を歪める臨也を見下ろしてゲラゲラと笑う。そして容赦なく、段々と動きを早めていた後ろの男が激しく突き上げてきた。獣の交尾のような激しい交わり。深夜の繁華街から遠ざかった路地裏に、ずちゅずちゅと水音が響き渡る。それが聞こえるのが嫌で、けれど腕は押さえつけられているためせめて片耳を塞ぐように地面に押しつける。


そうしている内に呆気なく男は絶頂に達し、溜まっていたのだろう、濃く大量の精液を臨也の膣に注ぎ込んだ。


「おい、早く抜けよ。俺もうブチ込みてぇ」
「待てよ、もうちょい出る…」


しっかりと臨也の折れそうな腰を抱き込み、最後の一滴まで注ぎ込むように何度か揺さ振ってから、ようやく萎えたそれを引き抜いた。

どろ…

ねっとりとした体液が、穴からこぼれて臨也の白い太ももを伝い降りてゆく。薄汚れた男達の、薄汚れた精液。怒りと屈辱で気丈に振る舞っていた臨也も、想像以上のショックに――そして、悲しさに、視界がぼんやりと霞むのを感じた。


しかし、こんな奴らに好き勝手にされるなんて耐えられない。途切れそうになる気力をかき集め、もう大丈夫だろうと油断していたのだろう、腕の拘束が緩んだ隙を狙って後ろに回ってきた三人目に向かってヒールを突き出した。正確な方向は読めないためがむしゃらな蹴りだったが、どうやら男の体を掠めたらしい。そして予想外の反撃に怯んだらしい男達に、体をひねって起き上がろうとした。



「こ……っんの、ックソアマァ!」

激昂した男が飛び掛かり、僅かに起き上がりかけた体を再び地面に叩きつけられる。その衝撃に咳き込むと、あっという間に、今度は仰向けに押さえつけられてしまった。


「いや…だ、放せッ放してっ!」
「大人しくひんひん鳴いてろッ」


どす、と腹を殴られ息を呑む。脱力した腕を頭上で一まとめにして強く押さえ、ぐいっと膝を割って臨也の足の間に入ってきた男が、蹴られた苛立ちもあるのだろう、力任せに足を左右に開かせた。


「たっぷりブチ犯してやるからなぁ、ったく、まんこヒクヒクさせてるくせによぉ」
「げほ、…けほっ」
「じゃ、いくぜ。お前ら押さえとけよ」


そう言って臨也の花唇を指先で割り、ぐっと押し広げられたそこに太く勃ち上がった陰茎を押しつけ、一気に最奥まで突き入れた。


「あぁああっ」
「っ…はぁ…あったけぇ」

痛みはないが、圧倒的な衝撃に思わず甲高い声をあげてしまう。男は根元まで埋め込んだことで一旦息をつくと、臨也の両の胸に手を伸ばした。そしてたわわな乳房を掴み、味わうように揉みしだきながら、べろべろと谷間から乳輪までを舐めつくす。その間も腰は深くゆっくりとグラインドし、臨也は身体中にもたらされる刺激にいやいやと首を振った。


「キレーな顔して淫乱だよねぇ、どーよ男のちんぽは。おいしい?」
「んっ、う、ぅ…っ」


ガクガクと揺さ振られながら、臨也はぎゅうと目を瞑る。
逃避、逃亡、臨也がこの社会で生き抜くためにとってきた手段だ。回避はもう断たれたから、ならば肉体的にただの人間の臨也には逃避しかない。こんなおぞましい現実からの逃避。受け入れられない自分への無力感。遠退いていく意識の中で、好き勝手に体内を暴れ回る他人の熱の存在にたまらない吐き気を覚える。



夜は長い。
まだまだ続くだろう悪夢の時間に、臨也はついに意識を手放した。




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