※坂田親子と真選組の場合


「「げっ」」



曲がり角をちょうど進んだ折、目の前に現れたのは

見慣れた黒い隊服を身に纏った二人組だった

もちろんお互い、盛大に顔をしかめたのは言うまでもないだろう

…愛する息子がこうして隣にいなければ、むしろコイツらに唾でも吐き捨ててるところだっての



「あれ?おーぐしとさどだぁ。なにしてるの?こんなところで」

「誰が大串だ誰が」

「全く、躾のなってないガキでィ。親の顔が見てみたいもんでさァ」

「オーイ沖田くーん?親なら君の目の前にいるからね。つーかウチの息子のこと、悪く言ってんじゃねーぞコノヤロー」

「そうだそうだこのやろー」

「……旦那、あんた完全に子育ての仕方を初期の段階で間違ってまさァ」

「ハ、面だけじゃなくてひん曲がった根性までそっくりだな」

「??おーぐし、それどーゆういみ?」



大串くんの方に首を傾げ近寄る息子を引き止め、俺は慌てて後ろに隠した



「ちょっ、それ以上近寄っちゃダメだ!マヨがうつる!」

「えっ、ほんと!?あ、あぶなかったぁ…ぱぱ、ありがとう」

「うつるかァァァァ!!てめーら、そこになおれ!」



いきり立った大串くんは刀を抜き、馬鹿みたいにそれをブンブン振り回した

…なんつーか、俺の回りにいる奴ってこんなんばっかりなのな

これじゃもう普段から息子(こいつ)の教育に悪いこと受け合いじゃね?



「…土方さーん、そうやって旦那方と遊んでる暇ないんじゃないですかィ?早く近藤さんを探さないと」

「あぁ…そうだったな。チッ、万事屋この借りはまた今度…」

「おーぐし、さど。ごりらならあそこでたおれてるよ?」

「…え゛」

「あら、皆さんお揃いで…どうしたんです?」



俺達が振り向いた方向には血塗れで倒れる近藤(ごりら)と、それを踏みつけ冷笑を浮かべるお妙の姿があった

…まぁ、いつもの光景ではあるのだが

そしてウチの愛する息子はというと、その惨状に臆することなく

「たえちゃ〜ん!」とお妙の元へ駆け寄り、ハグをかましていた



「たえちゃん、ひさしぶりだねっ。げんきしてた?」

「うふふ、もちろんよ。ごめんなさいね、最近は忙しくて万事屋(おうち)にもあまり立ち寄れなくて」

「…うん。ぼく、たえちゃんとあえなくてさびしかっんだぁ。ぼくはもっともっと、たえちゃんといっしょにいたいのに」

「!(きゅん、)…本当に銀さんの子どもとは到底思えないわね。将来が楽しみだわ〜」

「いや、それどういう意味?」



熱い抱擁をかます2人に若干引き気味にそうツッコミを入れれば、

隣で倒れていた近藤(ごりら)がむくりと起き上がり、「う、羨ましい…!」だなんだと口にしていた



「くっ、子どもながらにしてお妙さんにあんな口説き文句を言うなんて…!万事屋ジュニア恐るべし…万事屋貴様、どんな英才教育をした!?」

「人聞きの悪いこと言ってんじゃねーよ。お前のアプローチの仕方が悪いだけだろ」

「つーか近藤さん!いい加減屯所に帰るぞ!!こっちにはまだ山ほどの仕事が…」

「万事屋ジュニアァァ!!俺に口説きの秘訣を教えてくれェェ!!」

「ってオイィィ!!あんた5歳児相手に何してんだァァァァ!!」



交わる


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坂田の息子なのにタラシスキルがあるとか良いと思う←.