「蔵のこと、何でうちは好いてるんやろ」
「あはは何やそれ。俺はどう返せばええの?」
「蔵…うちは今、真面目に考えてん」
「?は、はあ…」
「そら、あんた顔はええわ。普通に。イケメンの類いや」
「そりゃおおきに」
「んで、運動神経万能や。テニスもごっつ上手やしな。部活中なんて、あんたが2番めに目立っとるわ。キラキラしとるわ」
「2番?1番は何なん?」
「1番は金ちゃんのグレードウルトラ……なんやったっけ?それや。あの大技出してる時の金ちゃんは半端ないねん。風の精霊さんや」
「ぷっ…なるほどなあー」
「あと性格もあんた良いやろ?面倒見ええし、頼りになるし。部長なんか元来しっかりした人間しか出来へんもんやで」
「うわー俺めっちゃ褒められとるやん。嬉しー」
「せやけど、うちはあんたみたいな完璧人間が少し嫌やねん。なんちゅーか…人間味ないし近寄りにくいわ。苦手なんよ」
「そら手厳しいわー。完璧な人間でえらいすんまなあーいやでも俺ほんま完璧やからなー」
「調子にのんなアホ。…まあアレや、恋愛対象としては何か違うわって今まで思っててん。いやいや一人で生きていけるやろお前!みたいな」
「へえーそらお前の誤解やなあ。俺は現に一人で生きていけへん。お前がいないとダメや」
「…まーた軽くそういう台詞言うんか。チャラ男は嫌やで?うち。気色悪い」
「せやけど、お前のこと好きなんやから仕方ないわ。常にお前と一緒にいないと俺あかんくなるんや」
「そうなん?じゃあ、うち試しに少し消えてみよかな。ダメになった蔵見てみたいわー」
「…あんなあ、ええ加減にせいよ?俺もそんなん言われたら流石に怒るで?」
「じょ…冗談やのに…蔵が怒っとる。ごっつ怖いわ。その笑顔…」
「…というか、さっきの話は結局何なん?お前は俺のどこに惚れてん?」
「ん、ん〜………わからへん!」
「は?」
「ええとこはぎょうさんあるんやけど、うちは完璧人間な蔵は好きやないねん。いつの間にか好きになってたんよ。蔵の全部が」
「全部が…?」
「そら嫌なとこ急に見たら少しは引くで?うちも。うちは女神様やないねんから。せやけど……うーん、分からん!いつの間にか蔵の嫌なとこも理解できる都合のええ人間になってしもうたんよ、うち!」
「…ははっ、そらとんだダメ女やなあ」
「せやろ?そう思うやろ?せやけどダメやねん。恋は恐ろしいもんやな!最近それに気付いてずっと考えてん!私は何で蔵のこと好いてるんやろって。蔵あんた、うちに魔法でも使うたやろ」
「あははっ…魔法?俺が?」
「せや」
「そんなん勝手に俺に惚れて腑抜けになったお前が悪いと違う?。俺は関係あらへん」
「むきーっ!蔵あー!証拠はあがってるんや!白状しい!」
「証拠?何や」
「ほ、ほら。手ぇ貸しや」
(ぴたっ)
「……」
「う、うちの心臓ごっつ早く動いとるやろ?もうドキドキで壊れてしまうかもしれん」
「……」
「蔵の近くにいる分、うちは心臓を早く動かしてしまうんや。人間はな?一生に使う鼓動の数決まってん。こんなんうち、すぐ死んでまうわ」
「…なら、いっそ一緒に死んでまえばええんと違うか?」
「は?」
「死因は窒息死や。俺もお前も」
「!んっ…」


−−−−−−
そして甘いキス。お馬鹿さんな二人でしたー
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -