「晋助朝だよー起きてー」

「……」



雑に敷かれた布団の上に寝転がり、こちらに背を向ける晋助にそう声を掛けるが反応はない

…これは本当に寝てるのか、それともただ私が無視されてるだけなのか…



「晋助、寝てるの?」

「……」



…反応がないならいいや。寝てるってことにしちゃおうっと、

そう思い立った私はまず、目の前の人物の髪に手を伸ばした

濃紫色の髪をゆっくりゆっくりと、指先で梳してゆく



「……(同じシャンプー使ってるはずなのに、何でこんなにサラサラしてんのかなー)」



次に彼の顔が見える位置に回って、前髪を再度梳かしてみれば

前髪に隠れていた隻眼が閉じられた形で露になった



「(うわー、睫毛長い…)」



男に使うような言葉じゃないかもだけど、

晋助には華があるとか綺麗とか艶やかとか…そういう言葉がよく似合う気がする



「…晋助、本当に本当に寝てるんだよね?」

「……」



再度確認しても反応はない、のだから晋助はきっと寝てる。きっとそうだ



「…お邪魔しまーす」



晋助が乱雑に被る布団の端を軽く引っ張り、そろりそろりと身体を忍ばせる

ぴとりと晋助の背中にくっつき耳をすませば、ドクンドクンと心地のよい心臓の音がした



「(…ふぁ、何だか私まで眠くなってきちゃった…)」



昨日また子と夜通しでオセロなんかやったからかな

もういいや。「晋助を起こしてこい」だなんて命令してきた万斎先輩には後で謝って…



「ククッ、テメーで起こすべき相手に誘われて寝入っちまうとはな。お前らしいぜ」

「…ふぇ?」



まどろむ意識の向こう側で、何だか口元をニヤリと歪める晋助の姿が見えた気がした

私の頭を撫でる、くすぐったい感覚と共に


二度寝


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素敵企画寝起き様に全力で捧げます!
…何だかお題にそえてない気がしますが^^;申し訳ない.