蜜のよう
「…夢ちゃん、大丈夫?顔色良くないみたいだけど…具合悪いの?」
「う〜ん、具合悪いといっちゃ悪い…かな。確かにちょっと身体が怠いし」
最近は討ち入りだなんだで一番組は出払うことが多かったからな…。何ていうか、ついに身体に限界がきた感じ?
「……よしっ、千鶴私もう部屋に戻ることにするわ」
「え?でも今から夕食の時間だよ?食べないの?」
「うん。今は正直食欲より睡魔が襲ってきてるからさ…もう早いけど寝とく」
「そう…?じゃあ土方さん達にもそう伝えておくね」
「うん、ありがと」
「夢ちゃんこそ、お大事にね」
私は千鶴と別れ、自室へと戻ることにした。う、何ていうか…こうして戻る道のりもちょっとキツいわ。目の前の廊下がぐにゃぐにゃ揺れてるし
「(千鶴に言われるまで特に気にしてなかったけど…こりゃ相当ヤバイかもなぁ)」
*
「…はあ、」
なんとか自室に辿り着いた私は部屋に入るなり、敷きっぱなしの布団にそのままダイブした。…ああ、幸せ。布団で寝転がれるなんて何日ぶりだろうか
「……もうこのまま寝ちゃおうかなあ…」
「夢、もう夕飯の時間だよ?いい加減起きなよ」
「!?ぐえっ!」
急にうつ伏せになっていた私の背中に走った衝撃。…この声色からして分かるのだが、とりあえず首だけ向き、私にでーんと乗っかるその人物を確認してやった
「そっ、総司…」
「ねえ、早く夕飯食べに行こうよ。僕お腹ペコペコなんだけど」
「いや、私今日は食欲なくて…っていうか重いんだけど!お腹が圧迫されてるってコレ!退いてよっ!」
「えー?何その言い方。傷つくなあ」
くつくつと笑いながら、総司はさらに体重をかけてきやがった。げ、元気だったらぶっ飛ばしてやるのに…!しかも総司は私にぴったりと身体を密着させてくるもんだから、時折彼の髪の毛がチクチクと首元を刺激するわけで
「…ねえ総司、本当退いてってば。何かくすぐったい」
「あーこうやって夢に触れるのも、久しぶりだなァ。最近忙しかったもんね」
「(……また人の話聞いてないし)」
ハァとため息を1つつくと、何故か私の腰に回された腕がググッと強くなった。…こんな具合の悪い時になるともう、総司が悪魔に見えるな…!
「?夢ったら、何考えてるのさ?」
「!へっ…」
そんな風に考えていた時、不意に視界が反転。仰向けになった私の前には、何故かニッコリと微笑む総司の笑顔。そのうえ奴はそのまま私の首に顔を埋め、首筋を舐めてきやがった
「!?ちょっ…私疲れてるんだってば!今はそういう気分じゃな…」
「仕方ないじゃない。仕事のせいで夢に3日も触れられえずじまいで、僕としちゃもう限界なんだから。…我慢しろだなんて、もちろん言わないよね?」
「!ん、ぁっ…」
そう言って唇を強引に重ね、あまつさえ舌まで絡めてきた総司に抵抗した私だったが……たぶんすぐに諦めて総司にこのまま流されてしまうんだろう、と思う自分がいたのも確かで
「(…惚れた弱みとでも言うんだろか)」
私も、心身共に疲れてる今だからこそ。総司に触れてたいと思えてしまうんだー…
「…総司、ご飯を食べにはいかないの?」
「んー…じゃあ君をいただくから、今日は夕飯いらないってことで」
「……全然上手くないっての」
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素敵企画悪魔さまに全力で提出します!
ここまでお題に辻褄を無理矢理合わせてしまって…本当すみませんでしたァァァorz
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