神威×吉原編



※原作の吉原編で夜兎族が襲来した時の話とリンクしてます


「…ちょっとォ何よあれ」
「どうも事故らしいわよ。今外から客が来てるみたいだから」
「客って…また鳳仙様に?っていうことはまた夜兎が…」
「ほーらそこのお二人さん。あんた達は仕事に戻りなさい」
「!夢さん…」

他の皆もだよ〜野次馬は散る散る!と私は声を張り上げた。が、崩壊した家屋の辺りを眺め、ざわざわと騒ぐ遊女達はなかなか動こうとしない。あー…もう、肝心の遊女がいなきゃ吉原(ここ)は商売にならんでしょうが。これ以上百華の仕事を増やさないでよね全く…今はお頭も不在なんだから

「しかしまあ随分と行儀のなってない客が来たもんね…って、ん?」

これ…包帯か?随分長いな…。私は目の前にはらりと落ちていた白い包帯を手に取った。…どうやら数メートル前を悠々と歩く、ピンク髪のおさげの人物が捨てたのは間違いないようだ。腕にも似たような包帯を巻いているうえ、何故かそれさえまた同じように捨てようとしてるし…。私はハァ…と溜め息を1つつき、彼を呼び止めた

「ちょいとおにいさーん。ここ、ポイ捨て禁止ですよ」
「…ん?それ僕に言ってる?」
「ええ。あなたによ」
「そっか。あ、でもそれもう必要ないからさ。君にあげるよ」
「……」

いや、こんな包帯もらっても…。「じゃあネ」とそのままその場を去ってしまおうとする彼に、若干イラッとした私は思わずくすりと笑みを浮かべた。蒼色の双眼がこちらを不思議そうに見つめる

「まっ、そうですよね。この吉原じゃ太陽から隠れなくていいんですもんねえ。日除けの包帯もナシに歩けて良かったですね?」
「…随分と気の強い女だね、吉原の遊女ってのは」
「私は遊女じゃありません。吉原自警団、百華の者です」

シュッ。挨拶がわりにとクナイを二、三本投げつけてやる。が、彼はそれらをいとも簡単にかわし、ニコニコと笑顔を浮かべた。…チッ、刺さって死ねば良かったのに。まあ夜兎ってのはこの程度で倒せる相手じゃないだろうけれど

「あはは、初対面の男に随分積極的だなあ〜。なに?俺と遊んでほしいの?」
「…それもいいですけどね。あなたは鳳仙様に用があって来たんでしょう?なら早く行くべきですよ。あの人怒ると怖いから」

そうおさげの男と同じくらいまっさらな笑顔で返し、私はくるりと背を向けた。…後ろから彼の「全部の用が終わったら、また来るよ。お金ははずむから一発ヤらせてネ」という言葉が聞こえたのはその数十秒後のこと


せいぜいお楽しみを」


「さて…私は月詠(おかしら)を捜しに行くか」


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何気に一番書きたい連載だったですよwアンケート6位の神威×吉原編でしたっ

そして神威よ…人気キャラランキングでの素晴らしい功績おめでと!


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