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Time:6/15 09:10
From:一樹会長
Sub:翼から聞いた
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雛お前今、
授業さぼってどこに
いる?


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Time:6/15 09:34
From:一樹会長
Sub:
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おい雛、
返信しろ
お前今どこにいる?


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Time:6/15 09:56
From:一樹会長
Sub:
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早く、返信しろ


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Time:6/15 10:09
From:一樹会長
Sub:
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雛、
お前今どこにいる
んだ?


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Time:6/15 10:24
From:一樹会長
Sub:
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雛、もう授業
終わるぞ
お前本当に今どこに
いる?
早く返信しろ

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「……うわ、マジでか」

屋上でぐっすりと居眠りをした後、起きて携帯を確認すれば受信メールが数件あって。開いて見たらこの状況。…一樹会長、どんだけ過保護なんだ本当。彼氏だってことを差し引いても怖いわ。…もしかして昨日私が上級生達と喧嘩したこと、まだ気にしてるのだろうか

「…あーぁ、どうしよう」

まさか"授業さぼって屋上で寝てました☆"とは返信できない。携帯を片手に返信はどうするかこれからの授業はどうするかなんて悩んでいたところ、急に後ろからポンポンと肩を叩かれた。

「はぁ…やっぱりここにいたんだな?」
「!な、直獅先生…!?」

振り返ればそこには呆れた表情を浮かべた直獅先生の姿。…なんというか、最近私よく大人にそういう顔させてるよなァ。自分でもちゃんと自覚はしてるのですよ

「っていうか直獅先生、あの…何でここにいるんですか?」
「いや、お前が授業さぼってるらしいって他の先生から聞いてな?だったら渡邉のことだから屋上にいるんだろうな〜って思ってさ」
「……要するに連れ戻しに来たんですか」
「あはは、まぁそう睨むなって」
私の隣にどっかりと腰を下ろし、直獅先生はまっさらな笑顔を見せる。…この人は本当に若づくりというか、いつでもはつらつとしてるというか…。教師というより、近所にいるお兄ちゃんみたいって印象が私の中では強い。

「…渡邉、もう学校には慣れたかー?」
「へ?あ…まぁ、一応ですけど」

そりゃあ入学式から暫く経ったわけだし。自分以外は全員男だっていう環境にも慣れて…って、何で急にそんなこと聞くんだろう。思わず首を傾げると、直獅先生は「渡邉お前…何か悩んでることがあるんじゃないか?」と急に話題をふってきた

「…何で、そう思うんですか?」
「んー?そりゃお前の顔見たらそれぐらい分かるよ。…お前今、すっごく辛しそうな眼してるぞ?」「!…」

…教師ってよく見てるんだなぁ。しかも私は宇宙科だから、直獅先生が直接担任する生徒でもないのに…。まぁ言いたくないことなら、無理に言わなくていいぞー?なんて笑う直獅先生は、実に器の大きい人だと思う。そこらの表面だけ教師ぶっている人達とは違う

「……別に、特別何かあったわけじゃないんですけど…」
「うんうん」
「たまに…あるんです。何ともないのに何故かこうやって落ち込んじゃう時が」

原因が何かも自分では分からない。けど…毎日の生活がなぜだか色褪せて見えてしまう。決して不満はないのだ。…むしろ、この星月学園で過ごす日々は私にとっては宝物で。そしてかけがえのないものなのだから

「……ま、そういうこともあるよなァ」
「え?」
「別におかしくはないよ。人間なんだから誰だって、そうやって落ち込んじゃう時はあるし。むしろ当たり前」
「…直獅先生でも、落ち込むこととかあるんですか?」
「あ、あるよそりゃ!俺だって人間なんだから!」

ちょっとむくれたようにそう言う直獅先生に、思わず声をあげて笑ってしまった。そして、そんな私に「おっ、やーっと笑ったな」なんて微笑む直獅先生が隣にいる。…あぁ、なんか幸せだなぁ

「…直獅先生はきっと良い教師になれますね」
「いや、何で急に上から目線?」
「生徒代表として言ったままですよ。直獅先生は教師の鏡です」
「…おい、何でそこだけ棒読みなんだ。そして何で半笑いなんだ」


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ヒロインと陽日先生とは特別仲が良い感じで。





空想レッテル


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