「今度の土曜日の午前に、3対3のゲーム?」
「うん。俺と影山と田中さんのチーム対、他の一年生とやるんだ。で、勝ったら俺らは晴れてバレー部に入部出来て!負けたら影山がセッターやれなくなるらしい…」
「?なんか…よく分からないルールだね」

影山くんだけに負けたときの罰が科されるのと、影山くんなら別にセッター以外も上手いことこなせるポジションがありそうなのと。…それに相手が一年生で、こっちは二年の田中先輩がいて。公平なのかそうじゃないのか…

「うーん…おれもよく分からないけど、勝たなきゃバレー部に入部出来ないからさ。頑張るしかないんだ!」
「…それで最近授業中眠そうなんだ?朝練何時だったの?」
「んー…5時」
「うわあ…早っ」

でも、日向くんらしいな。そういう努力惜しまないところ。そうくすくすと微笑めば、日向くんが「あ、あ、あ、あのさっ!」とバッと席からいきなり立ち上がった。び、びっくりした…!

「な、なに?」
「…夏野さん、中学の時もよくおれの練習手伝ってくれてさ。高校でも、兼部で男バレのマネージャーやってくれるって…」
「えっ私マネージャーやるって日向くんに言ったっけ?」
「田中さんに聞いた…」
「あ、そうなんだ。…そうだよー私、影山くんと日向くんより一足先に男バレ入部したから。待ってるね、二人が試合に勝って入部してくるの」
「そ、それは頑張る!けど…夏野さん、本当にそれでいいの?」
「へっ?」
「おれのために色々頑張ってくれるから…何で"おれ"のためなんかにそこまでしてくれんのかなって」
「……」

「…ごめん。迷惑だった…?」と尋ねれば、「いやっそんなことないよ!中学ん時から今もすごい助けられてるからおれ!」と机をバンッと叩いた日向くんに、私はそっと一安心。…良かった。余計なことすんなとか言われなくて

「?夏野さん?」
「ー…私、日向くんが楽しそうにバレーボールしてる姿見るの好きだから」
「!えっ…!」
「中学の時は、練習相手になろうか?って言ったら日向くんがすごく喜んでくれるの嬉しかったし…高校では、何て言うのかな。中学最後の試合みたいな日向くんのプレーもう一度見たくて」
「?な、なにそれ?」
「ほら、最後泉くんがトス失敗した時に日向くんがボールに追い付いてスパイク決めた時の。…あのプレーが目に焼き付いてて、もう一度見たいなって。それに…"小さな巨人"がいたのは烏野高校だって教えてくれたのは日向くんだよ?」
「!…」

「だから、一緒に烏野高校の男バレに入部しよ?私、日向くんが入部出来るの待ってるから」と拳をつき出せば、日向くんは「っ…ありがとう!おれ頑張るね!」と少し頬を赤くし拳を合わせる。…うん、私はただ日向くんとバレーボールしたかっただけだから。女の子と男の子じゃ一緒にコートには立てないけれど、そのぶん私は出来ることをしていきたいんだ


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一途に願う



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