「烏野高校の制服って…改めて見ると、やっぱり可愛いなあ…」

スカートをひらっとさせたりしながら鏡台に映った自分の姿を見て、思わずそう呟く。…制服なんて気にして選んだわけじゃないけど、女子の制服のデザインはえらく可愛い。赤いリボンにブレザーにチェック模様のスカート。(似合う似合わないは放っておいても) なんというか、ザJKって感じだ

「…蜜柑、あんた入学式遅刻するよ」
「!わっ、ヤバいヤバい!」
「全く…烏野高校だなんて家から遠いところ選んだりするから」

「学力的にも頑張ればもっと上狙えたでしょうに…」なんて呆れたように目を細めるお姉ちゃんに、私は「ううん!絶対烏野がいいから!」とパンを口に食わえながら反論した

「だって、日向くんが烏野高校に行くんだもん!」




**



「えっ?うちのマネージャーを?」

驚いたようにそう聞き返すのは、現男子バレーボール部マネージャー三年の清水潔子さんだ。私は彼女にこくこくとひたすら首を縦にふる

「でもあなた…夏野さんはうちの学校の女子バレーボール部にも入部するつもりなのよね?」
「は、はい」
「…兼部、ってこと?」
「わ、私バレーボールが大好きで!中学の時も下手くそなりに頑張ってたのでバレーボールは続けたいなあって…!」
「えっと…じゃあ、何で男バレのマネージャーもやろうと思ったの?」
「それは、日向くんのバレーボールするところ見たくて!日向くんの力にもなりたいし…」
「?日向くん…?」

「………ああ、思い出した。新しく入部する一年生の子に日向翔陽って名前があった」と呟き、清水先輩は私の顔をちらりと見た。清水先輩の眼鏡に、わりと挙動不審な私の姿が映る

「……私は別に兼部大丈夫だと思うけれど。一応、澤村に聞いてこなきゃだから、着いてきてくれる?」
「あの、澤村さんって…?」
「うちの男子バレーボール部の主将よ」

「じゃあ、行きましょうか」とひらりとスカートを翻して、清水先輩は廊下を歩いていく。…主将さんに、かあ。大丈夫かな…やっぱ無謀だったかな。男バレマネージャーと女子バレーボール部員を兼ねるなんて…どうしよう断られたら。そしたらやっぱりマネージャーのほうを優先させて…

「…日向翔陽くんとは知り合いなのね?」
「!え、あっはい!中学の同級生で…」
「そうなの。じゃあ、今回の件もあなたがいたら少しは解決出来そうね」
「?今回の、件?」
「日向翔陽くんと影山飛雄くん、今体育館出禁中なの」
「ー……へっ?」



−−−−−−
何故入部早々そんなことに…?というか影山くんが烏野高校に…?



戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -