◎原作共通√のお話


「皆さん、ここからは私が言う通りに動いて下さいね」
「うん」
「りょーかーい!」
「へいへい」
「…パーチェ、ルカの言う通りに動くんだよ」
「?うん。分かってるよっ」
「……」

…絶対分かってないよな。毎年この薬草園に来て、トラップに引っ掛かっているんだからパーチェは。薬草園に入る玄関で、思わずハァ…とため息をつけば、デビトに「アイツはあれで聞いてるつもりらしいから何言っても無駄だ」と笑われた。…マジでか。それはそれで重症過ぎる…!絶対初めて来るフェリチータお嬢様より、パーチェのほうがトラップに引っ掛かるに決まってる。ここから薬草園のその薬草育場にたどり着くまでに、トラップは沢山あるのだから

「ポプリ…」
「お嬢様、大丈夫ですからね。私と一緒に手を繋いで行きましょう!」
「うん。ありがとうポプリ」
「お、お嬢様それなら私とも…!」
「フェリチータお嬢様の手を握るのは女の子(わたし)の特権だアホ。ルカは黙って案内係をやって」
「………はい」
「ハハッ、ポプリとルカちゃんでバンビーナの取り合いかァ。妬けるねえ」
「ポプリはお嬢大好きっ子だねえ相変わらず」
「お嬢様進みましょう」
「そうだね」

私はフェリチータお嬢様の小さくて柔らかい手をぎゅっと握りしめ、いざ薬草園へ続く廊下を進む。まず廊下を数メートル歩く。すると、頭上から矢のようなものがスッと飛んできた。「ー…はい、頭を下げて!」というルカの指示に、サッと頭を下げ、私はお嬢様のの頭に手を置く。がー…

「うわあああ!?」
「…パーチェ何やがってんだ」
「(…何でしゃがみもしないんだ、このノッポ)」
「えっと次は確か…パーチェ、前に気をつけて下さい進まないで!」
「うおっっっっ!!」
「(…何で同じ落とし穴のトラップに毎年ハマるんだろう、このラッザーニア男)」
「ここは壁際を歩いて下さい」
「あっ…バカ、パーチェ!壁際だって…」
「うあああああっ!!」
「(…何で壁際って言われて逆に行くんだろう、この食欲魔神は)」
「バカが…」
「パーチェ…」
「さ、もうゴールは目の前ですよ」

様々なトラップに引っ掛かり最終的に変な網に捕らえられたパーチェを、お嬢様と二人してジト目で見つめる。…うわあ、最初言った通りになったじゃないかパーチェめ…。ああ、来年はパーチェと一緒に来るの絶対にやめよう。そう心に決め、私は薬草園の扉を開いた



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