◎夢主さんはリベルタの恋人設定です


コンコン
「リベルタ?入るよー…って、あーっ!」
「!」
「ダ、ダメでしょ!リベルタ寝てなきゃ!風邪なんだから!」

ベッドの上で何やらこそこそ作業してるリベルタの後ろ姿を見つけ、私は大声をあげた。それにリベルタはびくっと肩をはねさせた。もー!目を離すとすぐこんなんばっか!

「い、いやだって暇だしさァ…アクセサリー作るぐらいしか部屋でやることねーし…」
「大人しく寝てるのがリベルタの今出来る仕事です!」
「ええ〜…」
「ほらほら、文句言わない」

「早く風邪治さなきゃでしょ?ダンテも心配してたよ?」と言葉を紡ぎ、私はリベルタの手元からそっとアクセサリーを脇のテーブルのほうに移動させた。…きらきらした石がたくさん。よくもこんな細々したのをワイヤーに通したり出来るなあ…。そんなことを思いながら、私は持ってきた小鍋をよっと持ち上げ膝に乗せた

「リベルタ、お腹すいた?なんか食べられそう?」
「んー、普通に腹減った!ポプリ何か作ってくれたのか?」
「うん。はい、お粥だよ」
「?おかゆ?」
「マンマが教えてくれたの。ジャッポネの食べ物なんだって。少し薄味だけど、胃腸に良いから食べて?」
「おう!ポプリありがとなっ」
「どういたしまして」

「じゃあ、さっそく…」なんてスプーンを手にしてリベルタは笑顔をみせる。が、私はそんな彼からスプーンを取り上げ、鍋に入ったお粥を掬った

「あ、あれ?ポプリ?俺が食べていいんだよな?」
「そだよ」
「じゃ、じゃあ何で…」
「だからちょっと待って」
「え?」
「ふーふー…」
「!?え、えっとポプリ…??」

たじたじと身をひくリベルタの腕を掴み、私は彼の口元へとスプーンを運んだ

「はい、リベルタ。あーん」
「!?なっ、ななな…」
「リベルタ、まだ具合悪いんだし私が食べさせてあげる」

まだあんまり動かないほうがいいはずだし…ね?そう言ってにこりと微笑めば、リベルタはかああっと耳まで真っ赤になって「い、いやいいよ…!俺フツーに元気だしさぁ…!」なんて千切れんばかりにブンブンと首を横にふる。…そういう反応は、リベルタが恥ずかしがってるからだって分かってるけど…ちょっと傷付くなあ…あからさまに拒否されると

「?ポプリ…?」
「……リベルタは嫌?」
「へっ?」
「私が、したいの。こういう恋人らしいこと。…けど、リベルタは嫌?」
「!……」

リベルタも私も恥ずかしがり屋だから。フツーの恋人みたいにイチャイチャするっていうことがどういうことか分からないし、同時に恐怖がある。だから、少し踏み出したかった。いつまでもこの距離は嫌だから。もっともっと、リベルタに近付きたい…

「っ……嫌なわけ、ないじゃん」
「!わっ…」

ぽすっ。リベルタの手が私の腕を引き、私はリベルタの胸の中へ。…熱い。なんだ、やっぱりまだ具合悪いんじゃないか。そう悪態を心のなかでついていれば、リベルタが私の耳元に「…ごめん」とそっと囁いた

「…俺だって、ずっと近付きたかったよ」
「!リベルタ…」
「こうして引っ付いてたかった。けど…ポプリとこうしてると、心臓がドキドキして壊れそうになるから。なんつーか…情けねえけど、もっとゆっくり歩み寄らなきゃもたないっていうか…」
「……」

「…好きなやつとこうして抱き合ってるとさ、すげえ好きだって気持ちが溢れてくるんだな。」なんて真剣に呟くリベルタに、私は思わずくすりと笑みをこぼす。…ぷっ、リベルタったら本当に何でも真っ直ぐ言えちゃうんだなあ

「わ、笑うなよっ」
「ふふふ…じゃあ、あーんはまだ有りでしょ?そこまで急激な行動じゃないもんね?」
「!うっ…あれ全部ポプリに食べさせてもらわなきゃダメなわけ…?」
「当たりまえじゃない!」


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ちょっと押し気味な夢主さん×リベルタ



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