「ガイダ・レガーロの企画?」
「そうです。題して恋人と過ごすレガーロ!色々特集を組んだ観光案内冊子を作りたいんです」
「………」

「是非ポプリさんにその企画のモデルになってもらおうと思いまして!」なんて息巻く依頼人に、私は思わず硬直。…ダンテが私にファミリーへの依頼人を回すなんて意味不明なことしたのはこういうわけだったか。個人的な依頼だから、私1人で対処するしかないし。…しかしアルカナファミリアの体面もあるから断るわけにも…

「…あ、あの私モデルとかそういうのはちょっと…。お言葉ですけど、他の方に頼んでみたほうがいいのではないでしょうか…?」
「いいえ!ポプリさんに是非やっていただきたいんです!先日こちらアルカナファミリアのフェリチータさんをモデルにしたガイダ・レガーロ特別号がえらく好評でして!引き続きアルカナファミリアの方に依頼しようと、そう決定しているんです」
「えええ……」

う…まあ先月にフェリチータお嬢様が取材されてた時、ルカが騒いでたけれど。ルカのやつ、めっちゃ買い占めてたし。レガーロ島の人にも好評で、ルカ喜んで自慢してたしね。(ただ、恋人特集でフェリチータお嬢様の相手役がとりあえず従兄弟のノヴァに決まった時ルカのやつ泣いてたけど)。…レガーロ島の観光客にも好評だったなら、そりゃまた作ろうって話にもなるよね

「………分かり、ました。依頼お受け致します」
「おお!ありがとうございます!」
「まあ手伝うのはいいです、けど………何で"私とデビト"なんですか?」

そりゃ彼氏なんぞいないから、恋人役は適当に見繕っていただいていいけれど。何でよりによってデビトなの…!普通に考えて組み合わせおかしいでしょ…!少なくともルカとパーチェとデビトとはそういう演技?でも恋人的なやりとり出来ないって…!

「それはー………」
「それは?」
「若い男女が好んで行きそうな観光スポットなんかは、我々よりデビトさんのほうが詳しいでしょうから」
「……」

……なるほど


**



「わあポプリ可愛いよー!」
「まあモデルさんなんかが着るような衣装らしいからね」
「いや衣装じゃなくて、ポプリがだよ。普段からもっとそういう服着ればいいのにー」
「普段は厨房に入り浸りだから汚れてもいい格好がいいんですー」
「えーでも似合ってるよ。ね?ルカちゃん」
「ポプリ…、それじゃスカートの丈が短過ぎませんか?直すか、それとも他の衣装はないんですか?」
「ルカは何で急に保護者面?」

…まあ私もこんな短いスカート、ちょっとむずむずするけど。今時の若いレガーロ娘はこんなの着てるんだね…はあー、流行についていけないよ。何で上にこういう薄い生地の服を着て、また下に別の薄手の服重ね着するの?よく分からない…。私はルカやパーチェと鏡を見つめ、改めて首をかしげた

「うあー…面倒くさいなあ。デビトなんかとデートするのに、こんな服着たりメイクしたり…」
「専門の方がメイクまでしてくださるなんて本格的ですね」
「しかもデビトはいつもの格好のまんまなんだよ?アルカナファミリアの名前を全面に出したいからって。何で私だけ高いヒール履いて短いスカート着てイヤリングしてルージュつけてネイルして…」
「でもさ、デビトの驚く顔見れると思うと俺は楽しみだなー!」
「え?」

デビトが、驚く…?……何に?むしろ私のこんな格好見て「似合わねー!」って涙浮かべて爆笑するんじゃないか?アイツ、他の女の子には「何着ても似合うゼ?飾り立てなくても、あんたの魅力はもう俺に十分過ぎるほど分かってる(きらっ)」とか褒めちぎるだろうけど、私にはボロクソだから。そうパーチェに返せば、パーチェに「ポプリ…」と失笑された。いや、意味分かんない何その顔

「…デビトも大変だね。他の女の子とポプリは違うみたいだから」
「へっ?」
「ふふっ、あのデビトが敵わないんですもんね」
「??な、で二人して笑ってるの!」
「「こっちの話だよ(ですよ)。気にしないで(ください)」」



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ちなみに続きは考えていないです(遠い目)勢い




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