「か、可愛い…!」
「あ〜?そうかァ?コイツがガキの姿になったところで、ただのひねくれたクソガキじゃねーか」
「おい。あっしゅおまえ、かおかせや」
「まあまあ二人とも〜喧嘩しない喧嘩しない」

…あれから。浜辺で砂遊びをしてジェラートを食べた私とリベルタとパーチェは、そのままリストランテにやってきた。何でも、今日はここで一緒に食事をする約束をパーチェとフェリチータお嬢様とアッシュでしていたらしい。私とリベルタはそれに付いてきた次第だ。(ちなみにダンテはまだ仕事があるらしく浜辺で別れたよ)

「いやでもアッシュがここで食事なんて珍しいなあ〜しかもパーチェと」
「…こいつが無理矢理誘ってきたんだよ」
「ぱーちぇ、えらいっ!ひきこもりあっしゅをうまくつれだしたね!」
「おい、チビポプリ。お前泣かせるぞ?」
「お嬢は今までアッシュと一緒にいたのか?」
「うん。まだアッシュはレガーロ島に来たばっかりだから街を案内してたの」
「おじょーさま!さすが、おやさしいんですね!」
「…お前へたれ帽子とそっくりだな」

「今日館の前でイチゴ頭と待ち合わせした時もへたれ帽子が同じこと言ってたぞ」「ああ、ポプリはルカちゃんと同じでお嬢大好きっ子なんだよ」なんて会話が、お嬢様の膝の上に座った私の頭の上で交わされる。同じじゃないよ!私のほうがフェリチータお嬢様のこと大好きだもん!

「…あ、そういえば。わたしおじょーさまにあやまらなきゃいけないことが…」
「え?」
「おじょーさまのわんぴーす、かってにきてしまって…ごめんなさい」
「大丈夫だよそんなの。だって私が小さい頃の服だし…、それにポプリワンピースよく似合ってるよ」
「!おじょーさまあ…!ありがとうございます…!」
「いや、似合ってねーだろ。何だそのフリルばっかのワンピース。柄じゃねーだろお前みたいな凶暴女に」
「まあいつもポプリってスカート自体あんまり着ないもんねーちょっと違和感あるかも」
「ぱーちぇとあっしゅ、おまえらちょっとかおかせや」

「いっぱつなぐらせろ!」とお嬢様の膝の上で喚くも、アッシュには「その小せえ体で届くならな」とせせら笑われた。むっかっつく!アッシュお前、元の姿に戻ったら覚えてろ!

「ま、まあまあポプリ。アッシュ達は放っておいて、食事にしよう?」
「そうそう!ここのアラビアータは美味いんだぜ!」
「ラッザーニアもねっ」
「ぱーちぇはだまってて」
「えええ何で!」

…まあ考えてみたら今日は朝から何も食べてないや。お腹すいたあ〜…きっとパーチェかなんかがおごってくれるよね?遠慮なしに食べちゃおうっと!私はお嬢様の膝の上でいただきますとぱちんと手を合わせ、フォークでアラビアータをつつ…

カチャン!
「…っ、う……」

た、食べにくい…!何なのこれ幼児化すると満足にものも食べられないのかよ…!この小さな手にはまず普通のフォークは扱いづらいし、テーブルも高くて食器までが遠い。うええマジでかあ…!何にも出来ない…!泣きたい

「!………おい、」
「んう?なにあっしゅ」
「……口、あけろ」
「?」

スッ。隣から急ににゅっと手が伸びてきて、私は目を丸くする。…え??アッシュ…?何故にフォークをこちらに…?

「……………もしかして、たべさせてくれるの?」
「…勘違いすんな。これは等価交換だ」
「へ?」
「前、俺が虎の姿になった時には世話になったからな。その礼だ」
「……」

…確かに先日アップルパイをアッシュにあーんしてあげたけど。その等価交換がアラビアータをあーんなのか…??「……あっしゅ、きゃらじゃなくない?」と思ったことを口にすれば、「お前本当に可愛くねーよな」と至極不機嫌そうに睨まれた。うっさい知ってるわそんなの

「あはは、アッシュお兄ちゃんみたいだねえ」
「アッシュってなんやかんやで面倒見いいよなー」
「…うっせ、ひよこ頭」
「ふふ、アッシュ照れてる」
「て、照れてねーよ」
「あっしゅーはやくー!あらびあーた!」
「お前は本当何なんだよ。全っ然可愛くねえ」


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検証5
アッシュはなんやかんやで世話焼き役だと思う




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