「よいっしょ、よいっしょ」
「お、ポプリ上手いな!もうこれほとんど完成じゃん!」

ぎらぎらと輝く太陽の下、「いやあー俺たち頑張ったなあ!」と額の汗を手で拭うリベルタ。うんうん、がんばったよねすごく。…久しぶりに砂遊びなんてしたから、なんか充実感がやばい。汗水たらして集中して取り組んでしまった…!私はスコップでぺしぺしと砂のお城の形を整え、「りべるた、これでどう?」と首を傾げた

「おおっ!いいんじゃね?ようやく完成だなー!」
「かっこよくできたね」
「ああ。立派な砂のお城になったよなっ」
「…ん?なんだ、お前たちまだやってたのか」
「!だんて!ねえみてみて!ついにかんせいしたの」
「ハハハ、砂の城かあ…こりゃ見事なものだなあ」
「だろ?ダンテもそう思うだろ?」

嬉しそうにニコニコと微笑み駆け寄る私たちに、ダンテが「ああ、良い出来だ」と呆れるでもなく微笑み返してくれた。そしてリベルタと私の頭の上に大きな手をのせ、がしがしと撫でる。…なんか、本当にお父さんみたいダンテ。こういうの嬉しいなあ。…もしかして私は子どもの姿でいることを満喫してるのかもしれないなあ、なんて

「全く…ジョーリィのせいで幼児化してしまったポプリはともかく、これじゃどっちが子どもか分からないなあ。ハハハ」
「えーなんだよそれダンテ!」

いまいち不服そうにそう反論するリベルタに、ダンテが「まあまあ、そう怒るな。誉め言葉のつもりさ」と軽く流し、ぱたぱたと手で顔を扇いでいた

「ふう…にしても暑いなあ今日は」
「そういえば…すなあそびしてるときはきづかなかったけど…」
「暑いよなー。あー…汗だらだらだぜ」
「そうだ、どうせならジェラートでも買ってきて食べるか?二人とも必死で砂遊びなんかしてたから喉が渇いているだろう?」
「!じぇらーと!」
「マジで?食べたい!」
「じゃあ俺がそこの店まで2つ買ってきてやるから、二人は使ったスコップを船のほうに戻して来るといい」

うわああダンテまじ良い人…!流石懐が深い!我らがアルカナファミリア幹部長はやっぱり違う。…けど、

「…だんて!わたしもいっしょにいく」
「?ポプリが?」
「だって、よくかんがえたらおとこのひとひとりで、じぇらーとかうのむずかしそうだもん」
「……それは、確かにそうだな」

ダンテみたいな大男がジェラートを一人で買いにいくのは気まずいだろうし。「だから、りべるた。すこっぷはまかせた」と告げれば「オッケー!」とグッと指を立てられた。うん!任せたぞ!

「…それじゃ行くか、ポプリ。肩車でいいか?」
「うん、ありがとー」




**


「わあーたかい!」

ダンテほどの大きい男の人に肩車されると、本当にもう圧巻。ほとんどの人は自分より下になってしまうし、なにより見渡せる視界がとても広い

「すごー…だんてはいつもこんなかんじでみれてるんだ…」

目をキラキラと輝かせる私にダンテが「んー?まあなぁ」と何でもないように笑う。…いいなあ、私ももっと身長が高ければなあ。羨ましい…

「あらっダンテさん、いつの間にお子さまができたんですの?」
「可愛いお嬢さんね。本当に親子みたい」
「こ、こら…あんまりからかわんでください」
「「ふふふっ」」

島の人達にそんな冗談を言われ、ダンテは少し弱ったように眉をハの字に下げる。…からかわれ慣れてないんだろうなあ、なんて。まあこうして島の人達に気軽に話しかけてもらえるのもダンテの人徳があってこそだけれど。私は「もう、ダンテさんったら…流石にお子さんがいたら私たちの耳にとっくに入ってきますわ。狭い島ですもの」と可笑しそうに微笑むお姉さん達につられて微笑む。…そうだよね、流石に私をダンテの子どもだとか誤解する人なんて…

「えっダンテ?なにしてんの?」

ー…一人いたかも。口まわりに食べカスをつけたまま、ふらふらとこちらに歩み寄ってきた人物。そいつはじーっとダンテと私を見比べて、眼鏡をきらりと光らせた。…嫌な予感

「……ダンテ、いつの間に子どもつくったの?」
「!ば、ばかもん!そんなわけあるか!この子は…」
「あっれ?そういえばこの子、ポプリによく似てるね。小さい頃のポプリそっくりだ」
「いや、だからパーチェ…」
「あーーっ!ま、まさかダンテ、ポプリと一夜の過ちを…」
「ぱーちぇあんたやっぱりばかなんだね」
「えっびっくりするぐらい毒舌なんだけど!ダンテ子育ての仕方間違えてるよ絶対!」
「パーチェお前…、今まで俺のことどう見てたんだ?」



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検証4
ダンテはお父さんでした




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