マルコが死んだ。わたしはマルコの死体を見たわけじゃなかったけどジャンが言っていたから嘘ではないのだろう。冗談で死んだ生きただの言うやつではないことくらい、この作戦で分かった。


「憲兵団には、いけない」
「なまえ、」
「マルコをおいてまでいきたくない、マルコがいないならいきたくない」
「お、れも、憲兵団にはいかねえ」
「ジャン、」
「お前もマルコもいないなら、いかねえ」
「ジャンだめだよ、ジャンは生きて」
「いかねえ」
「泣かないでジャン、おねがい泣かないで」
「うるせえ」


訓練兵の薄汚れてしまったジャケットでジャンの目をごしごしとぬぐった。後ろでぱちぱちと炎が燃えていた。マルコはもう姿形も残ってはいないのだろう。


「なまえ」
「ジャン」
「これはマルコの作った未来だ。俺はマルコのために憲兵を選ばないわけじゃねえ。未来だからだ、マルコが作り上げた未来だからだ」
「みら、い」
「泣くななまえ、泣くんじゃねえ」


今度はジャンがわたしの目をごしごしとぬぐった。


未来永劫
(きみがいきたあかしに)



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