ぱこーんぱこーんと硬式のテニスボールが規則正しく跳ねる音がする放課後。マネージャーの仕事に飽きた私はテニスコートに設置されたベンチに腰掛けていた。その時邪魔だった謙也先輩の荷物は床に移動させた。したら珍しく一氏先輩と一緒にいない小春先輩が隣に座って、唇カサカサやわあとポケットから可愛いリップクリームを出して、塗った。


「小春先輩ってリップクリームべっちょりですね」
「んふふ、なまえちゃんとこうするためやで」


それはほんとにぶっちゅうって効果音が似合うやつだった。視界がふらっと真っ暗になって小春先輩の眼鏡が少し肌にあたって、小春先輩睫毛長いわ。


「おすそわけやなまえちゃん」


ぺろりと唇を舐めた小春先輩を真似するように私も唇を舐めた。その唇は嫌になるくらい甘いにおいがした。


リップクリーム越しのキス
(あああ俺の小春ううう!!!!)



20140813



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