ルッスーリアはオカマでオネエだ。見た目はファンキーな変人だけど中身は自称ヴァリアーのお母さん。別にそこまではいい、だって幼い頃からこの環境で、この待遇で育ってきたのだから。ボスだって短気過ぎるしスクアーロは声でかいし、ヴァリアーなんて変人ばっかり。わたしだってずっとルッスのことお母さんだって、思ってたよ、でも大きくなるにつれ私に宿った小さな想い。痛いほどにそれは叶う事のない想いだったの。
「また連れて帰ってきたの?」
「そうよ!いい男ばっかりだったわ!」
ルッスは鼻をすんすんと鳴らして、いい男と呼んだそれをズルズルと引きずっていく。彼の言ういい男のせいでカーペットが引きずれて使用人の仕事が増えた。異臭もすごい。スクアーロがうるさそう。なんでこんな性癖なのか。私は誰をうらめばいいのか。ねえ、かみさま。私もルッスーリアに愛されるようないい男であればよかったのに。
「ねえルッスーリア、」
「どうしたのなまえ」
「わたし、あなたの為なら死んでもいいよ」
せめて、視界にでもいれて。
これ以上は欲張らないから
(あなたの愛せる人間になりたい)
20120520~20150706