わたしのテンションは異常なまでに上がっていた。ボルテージは振り切り。今なら腹踊りだってしちゃう。そんなレベルでわたしは酔っぱらっていたのだ。酒の力は偉大だ、褒めたたえる程に。弱い酒でも飲めば飲むほど積み重なって威力を増すを最終的には、強い酒と同等の力を持っていく、結果が私だ。

「っもー、のめなあーい!」
「うるさいぞ」
「あっははは、レヴィ三人もいる!」

もうそれはべろんべろんって言葉しか似合わない。ジャポネーゼのネクタイを頭に結んで土産を手に持つおやじを想像してもらえば早いと思う。まさか自分がこんな風に酔うとは思わなかったけど。

「レヴィおんぶー!」
「ガキか、お前は」
「ベルと一緒にしないでー!!」

でも別に後悔はしていない。好きでこうなったのだし、好きで飲んだ。酔ってるみたいで全然酔ってない。体はふらふらするけど、頭は驚くくらい鮮明。レヴィの立つ左側だけアホみたいに暑いの。

「へいタクシー!」
「危ないだろう!!」
「やっだあレヴィったらだいたーん!」
「なっ!…こんなところで死ぬなんてヴァリアーの恥さらしだぞ!!」
「死んでもいいし!」
「お前ボスに謝ってこい!」

ひかれそうになったわたしの体をレヴィが支えた。ただ、それだけなのに、わたしの顔からは火が出そうなくらいあつい。そう、わたしこのまま死んでしまってよかったの。きっとそれはレヴィの口車に乗っただけで、他意なんて、ない。


しらないふりをゆるして
(意味も、思いも)

20120519~20150706



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -