来神高校。4月1日、火曜日。そして今日は午前中まで嘘をつき放題の日である。そして私は今日で同じ嘘を何度も聞いた。折原臨也に告られたーとか、首無しライダーと喋ったーとか、そもそも首無いのにどうやって話すんだって感じ。一番多いのは平和島静雄と付き合ってるーとか、告白されちゃったーとか。こういうイベントのたびに出てくる名前は毎度毎度同じだ。当人はどんな気分なんだろう。もう慣れっこだったりするのかな?

「あ、じゃあわたしもひとつ報告する」
「なになに」
「わたし、平和島静雄のこと好きだよ」
「は?」
「えっ」

わたしがその話をしていたのは廊下だった。笑うわたしの頭上から低い声がして、立ち止まった金髪に冷や汗が垂れる。ぱっちりと合う視線にわたしはまずいことを言ったのだと考えなくても分かる。金髪の平和島静雄は頬を赤く染めて、付き合うか?なんて口にしたのだ。今更エイプリルフールだからなんて言えなくて、赤い頬が余りに似合わなくて、わたしはゆっくり頷いてしまったのだ。


午前中の悪魔

~~20150511



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