ずっと一緒にいて、それが普通で、ずっとそうだと思ってたのに。


「あつし帰ろ」
「うん」


幼馴染みだった私たちは何をするにも一緒だった。登下校は勿論遊びに行くのも。あつしは体格のせいもあって余り友達と呼べる人が居らず、私はそんなあつしと一緒に居る!と同じように指を指され、結局二人で孤立していた。でもそれで私は充分だった。あつしがいればそれでよかった。


「おれ、バスケやる、から一緒に帰れない」
「え…、あ、わかった」


小学校後半あたり、あつしのお母さんが次にあつしに進めたのはバスケだった。背の高いあつしにはぴったりのスポーツであったのだろう。次第にあつしは私から離れていった。


「ひさしぶりなまえ」
「…あつし」


私から離れていくあつしなんか認めたくなくて私は自らあつしから離れた。中学は少し離れた私立を受け、あつしとはめっきり会わなくなっていたと思っていたら最寄りのコンビニでばったり。部活のジャージを着ているということは試合帰りかなにかなのだろう。


「そ、それじゃあ」
「待って、一緒に帰ろうよ」


あつしの大きな手が私の腕を掴む、断る理由もなかったのでそれに従った。ただ心残りがあったとしたら、これ以上一緒にいたら可笑しくなりそうだった。
帰り道も特に会話はなく、あつしのお菓子を貪る音がただ聞こえるだけ。食べる?と言われたがいらないと言った。そんなあつしが、ねえ、と口を開く。


「なんで違う学校行ったの」
「え」
「なんか俺を避けてるよね」
「そんなことないよ」
「なんで俺の顔見ないの」「そういうつもりじゃ…」
「なまえ」


がしりとあつしの手が私の肩を掴む。必然的に私はあつしの顔を見ることになってしまった。


「あつ、し」
「高校はおんなじとこね」
「敦、」


狡い、と思った。


あなたの嫌なところ
だってこんなに溢れそうよ

2013??~20140607



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