やだ!ベルじゃん!ひっさしぶりー!って笑えたらどんなによかっただろうか。


「…ベル」
「久しぶり、元気そうじゃん」
「うん、」


私は7年前ヴァリアーを辞めた。ベルと愛情を含んだ関係を持った、お互いがお互いを愛していたから。それでも私がヴァリアーで出来る任務って言ったら身体を売ることだけ、他人と重ねた身体をベルと重ねるのがすごく嫌になって、ベルはそれでもいいと笑ったけど私は笑えなかった。良くない、良くないよ。自分の気持ちに蓋が出来るほどお利口じゃないの。言い訳を突き付けるようにベルに別れを告げて私はヴァリアーから逃げた。気付けばヴァリアーを忘れない7年が経っていた。


「…ベルも元気そうだね。みんなはどうしてる?」
「…ヴァリアー辞めた奴に関係なくね?」
「…あはは、そうだね」


長い事ヴァリアーと離れていたら私は弱くなってしまった。心も身体も。ベルの罵声だって言い返せていたのに、ボスの暴力にも耐えていたのに。だって今にも泣きそう。


「…戻ってくれば」
「え?」
「みんなどうしてるか知りたいんだろ?」
「そうだけど、」
「俺の事だって忘れられてないんだろ」
「…な、んで」


分かるの?そう続けたかった唇はベルの唇に遮られた。7年、7年頑張ったんだ。ボスの事は8年待ってられたけどなまえの事は待ってられなかった。


「俺も忘れられねーみたい」
「…っ、わたしも、」


再開のキャパシティ
(ごめん、ただいま)



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