さよならしようか、赤司くんにそう言われた。理由なんて聞く意味がない。彼は必要ないと思ったものは全て切り捨てていく、そういう人間だから。だから私は彼が望むであろう答えに沿えるように頷いたのに、それなのに彼は、
「…嫌だ」
「え？」
「さよなら、なんて」
嫌だと泣くから、私は黙って彼を抱き締めた。ぎゅっと背中に回した腕に返事をくれるように赤司くんは私を力強く抱き締め返してくれた。
「…さよなら、しましょうか」
ぎゅっと抱き締めた身体が熱を失うまで、
さよなら、そして
(また、)
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