彼が彼女を好きかどうか、それは本人にも分からない事であった。


「…」
「なあ」


声をかければ無視されるし、彼女の視界には彼の姿など入ってないように見えた。だけど彼は彼女が気になった。


「お前頭良いよな」
「どうやって勉強してんの?」
「ていうかほっせーな、何食ってんの?」
「今度なんか作ってやろうか?」
「祓魔師になって何やんの?」

「なあ―――」



彼の言葉を摘んだのは、彼女の唇だった。噛み付くような口づけで。


これが恋と呼ばすなんと呼ぼう
(「好き?」「好き!」)



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テーマ「人外ファンタジー」
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