お昼の日常変化




選択授業が終わり、お昼休み。


「ハルカっ!売店いこー?」
「ああ、ごめーん!今日からカスミのお姉さんが私の分もお弁当作ってくれるみたいで、もう売店行かなくてすむことになったの!」
「えぇー!?」
「なんかカスミが頼んでくれたみたいで、助かったかもー!ありがとね、カスミ!」
「あ、ははは!どういたしましてー。」


ハルカはホウエン地方に住んでるけど、タマムシスクールに通うためにカスミの家に居候している。良かったけど、何でまたいきなり‥!


「でも今日から売店も一人で行くのかぁ、寂しいなぁ。」


私が独り言のように呟くと、カスミはそそくさサトシを連れてきた。


「カスミ‥なんだよいきなりっ!」
「サトシ、今日からナマエと売店に行ってあげなさいよ!」
「そっかぁ、サトシも毎日売店だもんね!じゃぁ、一緒に行こ?」


サトシは何故かカスミを軽く睨んでいたが、私が笑顔で誘うとサトシは飛びっきりに嬉しそうな顔になった。


「お、おうっ!でもホットドック急ぐからちゃんとついて来なきゃ置いてくぜ?」


サトシはそう言うと走りだす。


「サ、サトシまってよ〜!」


はぁ、ハルカとじゃなくても結局走るのね。私は必死にサトシを追いかけた。





無事にお昼を買い、教室に着くとカスミとハルカは何故かタケシ達とお弁当を食べていた。


「あっ!おかえり二人共〜!」
「なんかお互いメンバー欠けてるねってなって流れでタケシ達と一緒に食べてたの!」
「ふーん、そうなんだぁ。」


私とサトシは輪の空いてる所に座る。メンバーはタケシ、ケンジ…後、紫色の髪をした少年が一緒に食べているのか居ないかの場所でお弁当を食べている。あの人、一緒なのかな‥?


「しかし、たまにはこう大人数で食べるのもいいなぁ!」
「そうだね。あっ!これからみんなで一緒に食べるのはどう?」
「それ、いいかもー!」
「あたしも賛成っ。」
「うんうん!むしろ何で今まで別々で食べてたんだろう。」
「確かにそうだよなぁ。」


みんなで笑い合う中、紫色の髪の少年が一人無言で黙々とお弁当を食べ続けている。やっぱり別なのかな?何だか気になって見つめていたら目が合ってしまった。少年は一瞬目つきを変えたがすぐに顔を逸らしてしまった。


「なぁシンジ!そんな怖い顔すんなよー。シンジも賛成だろ?」
「‥別に。俺が決める事じゃない。もともと好きでお前達と弁当食べてる訳じゃない。」
「もうーシンジったら水臭いなぁ!」


ケンジやみんなは少々苦笑いをしている。


「そういえばいつもお昼になるとタケシ無理矢理この人の事引っ張ってるわよねー。」
「そりゃあ一人で食べるお弁当なんて美味しくないからな!ほっとけないんだよ。」


タケシは相当な世話好きさん。世界一のポケモンブリーダーを目指しているらしい。世界一を目指す腕は確かだってサトシが言ってたっけ。


「‥余計なお世話だ。」


このシンジって人、やっぱ一緒だったんだ。なんだかちょっと怖そうかも‥。
こうして、今までのお昼の日常はガラっと変わったのであった。





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