タンバシティ





タンバシティ到着。



薬を取りにいけば、またすぐ海を渡り戻るので、とりあえず水着の上から簡単な服を着た。


「くすりやさんまで、どれ位かかるとか言ってた?」

「何もきいてないや…でも、ポケギアあるから道には迷わないと思うよ。」

ポケギアでくすりやさんまでの道を調べる。

「そんな遠くないっぽい!良かった〜。」

「じゃぁナマエ、くすりやさん行ってここに戻ってくるまでだいたい30分くらいでいけるよね?30分かぁ…んーーまぁ大丈夫かな!よし、今から30分後、ここで待ち合わせ!よろしく!」


「えっ!?うん?どこいくの??」


そんな私の声も聞かずにヒビキくんは全速力へ何処かへ走っていった。ヒビキくん、足早っ。どこいくくらい、伝えてくれてもいいのに…!

でも、とりあえず私はくすりやさんにくすりを取りに行かなきゃね。
ヒビキくんまでは早く走れないけど、私も急いでくすりやさんに向かった。





















30分後。

無事くすりやさんに到着し、くすりを頂けた私は先ほどの待ち合わせ場所に丁度ついたところだ。
ヒビキくん、ちゃんとくるのかな?出来るだけ急がなきゃなんだけど…





「ナマエー!!ごめんごめん、まぁギリギリ間に合ったかな?」



遠くからヒビキくんが走ってくる。またもやものすごいスピードだ。


「ヒビキくん!どこいってたの?」

「あれ?言わなかったけ?タンバジム!」

「あー…タンバジムかぁ。なるほどっ…ってタンバジム!?何しにいったの?」

「何って…ジム戦に決まってるだろ?」


ヒビキくんはニカッと笑いバッチを見せてきた。その笑顔に何だか胸がきゅんとなった気がした。

ってまてよ…さっきポケギアでタンバのマップみた時ジムってくすりやさんより遠かった気が…。え、往復にかかった時間があのスピードで仮に20分だとして残り10分?ヒビキくんって何者…??


「ここからなみのりでまた戻るとかなり時間かかるだろ?これで僕、そらをとぶが使えるようになったから、くすりは僕が届けるよ。もちろんナマエの事はきちんと説明しておくから、くすりは安心して僕に任せて!ナマエはタンバジム挑戦してからアサギに戻って、アサギジムに挑戦すれば効率的だろ?」


私は唖然としてしまった。ヒビキくん…なんて頼もしすぎる。昔からそうだけど。今の気持ちは、本当大好きだってことと、ありがとうってことと、何かすごいっていうことと…。
毎度の衝動で一歩前に出た所で私は踏みとどまった。何故だかは自分でもよく分からない。何故いつものように抱きつけないのか。



「ヒビキくん、本当にありがとう!アカリちゃんのこと、よろしくね。」


私はくすりをヒビキくんに渡した。



「うん、任せて!一つ教えとくけど、シジマさんは滝を止めないと勝負してくれないからね。じゃまたね!」



ヒビキくんは、ピジョンの背中に乗りアサギシティの方へ飛びだっていった。
遠くなってゆくヒビキくんをずっと見つめる。何だか、本当に色んな意味で遠くなっているように感じる。
ヒビキくんは昔から何でもこよなくこなすし、本当に優しくて私は何度も助けられた。
そう、だからそれが当たり前で、今も昔もそれは変わっていないはずなのに、何かが違うするんだ。
いつも通り素直に楽しくいれたらいいのに、この頃感じるこの違和感は何なのだろう。



とりあえず今日はもう休んで、明日ヒビキくんの言うように、タンバジムに挑戦しよう。

ポケモンセンターで部屋を借り、しばらくしてヒビキくんからアカリちゃんがくすりで回復した事を聞き、安心したところで眠りについた。









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