アサギシティ1
ハヤトさんと別れてから、エンジュのポケセンでぐっすり眠り、早起きして出発。アサギシティまでの道のりはとても長く、やっとついたのはもう空も暗くなった今である。
ここまで沢山のバトルを積み、ベイリーフはメガニウムに、モココはデンリュウに進化した。
新しい仲間のイーブイも沢山の経験を積み、バトルにも慣れてきたようだ。
みんなお疲れ様。そして私もお疲れ様。今日は早く寝たい!!
有難くもう視界にはポケモンセンターが見えているので、すぐ様に向かおう。
すると、ドアから派手な赤髪が出てきた。シルバーだ!
「ナマエ………また、お前かよ。」
ん?この流れは…!毎度の?またバトルを挑まれる!?いや、今日はもう勘弁して!?でも、シルバーはじゃぁ今度な、何て言うわけないだろう。今まで、ずっとそうだった。仕方ない…今日の道のりで成長した成果を見せてあげるわ!
「なにその気になってるんだ?」
「へ…?」
「お前、疲れてるだろう。」
「う、うん!よく分かったね。」
「見れば分かる。」
「でっでも!シルバー今まで私の都合何か気にせず勝負挑んできたよね!?シルバーが、私の体調を考慮!?どうしたの!シルバー!?」
「はっ!勘違いもほどほどにしておけ!俺はお前みたいな弱いヤツと戦っている暇はないからな!」
「ってシルバー私に勝った事あったっけ……」
「煩い!いつも手加減してやってるのが分からないのか!?」
アサギシティ中に響くような怒鳴り声。私、いつもシルバーと話す時こうやって怒らせてる。やはりシルバーと私は相性が合わないのだろうか。そんなの、嫌だ。
「……うぅ…ごめん…。」
「なっなんでお前が謝ってるんだよ!くそっ、そんな顔すんな!」
「…シルバーって本当、怒ったり優しくなったり意味が分からないよ!」
「っ誰が優しいだと?!…お前といると気が狂うんだよ!」
「ひどっ!どうゆう意味よ!」
「そのまんまの意味だ。もうお前の相手をしている時間はない。じゃぁな。」
「待ってシルバー!もう夜だけどどこいくの?」
「もう少し、草むらで修行してから寝る。」
「ええっ!今出てきたって事は、さっきアサギシティについたばっかりなんでしょ?それともジム戦おわったとこ?」
「いや、着いたばかりだ。だからこれから修行して、明日ジムに挑む。」
「着いたばかりならもう休みなよ!シルバーのポケモン達も休ませてあげて?」
「何だよ、お前につべこべ言われる筋合いはない!」
「もう!シルバー!私もこれから部屋借りて寝ようとしてたとこだから何なら一緒に泊まろうよ?」
「は!?!?」
シルバーは一気に顔を真っ赤にして怒っている様子。…が、どんな怒らせても、やっぱり私はシルバーと仲良くなりたい!この押しの強さはきっと自分の長所なのだろう。…きっと。
シルバーの事を知るいいチャンスだ。私は、シルバーの力になりたい。仲が良い訳ではないけど、何故か力になりたくなる。何でこんなに………
私は自然とシルバーの手を両手で握っていた。
「シルバーの事、もっと知りたい。」
「っ…お前、何言ってるんだよ….だ、大丈夫か?」
「え、何が…?」
「あ、その今のは、どうゆう!」
シルバーの顔はどんどん赤さを増して、オクタン状態。そんなに、私と寝るのが嫌なのか。
「ああぁもう!!寝る!一人でな!!!!」
シルバーは私の手を振り払ってポケモンセンターへ向かって行った。
「え、修行はいいの?」
「休めばいいんだろ?休めば!」
そう言い残し、早々と中に入っていった。ヒビキくんは、一緒に寝てくれたのに、シルバーは駄目なんだ。やっぱり私の事あまり好きじゃないんだな…。
でも、修行をやめて休む事を選んでくれた。人の意見など全く聞きそうにもないシルバーが。
シルバーは本当、よく分からない人だ。でも、何故か嫌いになれない。
シルバーの事知るチャンスを逃したのは残念だったけど、とりあえず私も寝よう。
明日は、ジムに挑戦だ。
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