再びバトル
朝目覚めると、ハヤトさんは居なかった。リビングに下りるとハヤトさんのお母さんが朝ご飯を作ってくれて、またまたいただいてしまった。ハヤトさんはもうジムの仕事に行ったらしい。今日こそハヤトさんに勝たなきゃ!
ハヤトさんのお父さんとお母さんにお礼を言って丁寧にお辞儀をして家を出た。真横にあるジムを見つめる。草むらで修業して、レベルを上げてから再挑戦しよう。
「ナマエちゃん!」
その声は、と思い目を移すとやっぱり。
「コトネちゃん!」
「ジムに挑戦してたの?」
「違うよ。」
「え、今ジムから出て来たように見えたんだけどな。」
「ジムじゃなくて、その横のハヤトさんの家から出て来たんだよ。」
「あっ!そうなんだ。‥ってえ!?ハヤトさんってあのハヤトさん?ジムリーダーのハヤトさん!?」
「そうだよ!驚くよね、自分でも信じられない!」
「な、何したの?」
「何したって‥寝たの!」
「寝た!?それって‥(いや、ナマエちゃんに限ってそんな、きっと普通にお休みーって寝たんだ。そうに決まってる!)」
「ん?とりあえず後でヒビキくんにも自慢しよー!」
「だ、駄目だよ!ヒビキくんだけには言っちゃ駄目!」
「何で?」
「ほら、ポケモンは親に似るっていうでしょ?マリルを思い出してよ。」
「あー!ヒビキくん、嫉妬しちゃうか!でもハヤトさん優しいから、頼めばきっとヒビキくんも泊めてくれるよ!」
「いや、合ってるけど合ってない!とにかくヒビキくんには言っちゃ駄目だからね!(何しでかすか分からない!)」
「‥?分かった!」
「あ!私予定があったんだ。もっとお喋りしてたいけど、ごめん!またね、ナマエちゃん。」
「大丈夫だよ、またね〜!」
なんだか風のようにやってきて風のように去っていったコトネちゃん。まあ元気そうで良かった。さぁ、草むらへレッツゴー!
それなりにレベルを上げて、キキョウジム再び。何とか絶叫マシーンと高すぎる平均台みたいな道を越え、ハヤトさんの前へ。
「待ってたよ、ナマエちゃん。僕はジムリーダー、手加減はしないからな!行け、ポッポ!」
『ポッポー!』
「特訓の成果を見せますよ!頑張ってチコリータ!」
『チコ!』
「すなかけされる前にどんどん攻めるわよ!連続でたいあたり!」
たいあたりが何回かポッポに命中する。
「ポッポ!こちらも連続ですなかけ!」
『ポポー!』やはりすなかけのせいで、どんどんチコリータのたいあたりは当たらなくなっていき、ついに全く当たらなくなった。
「ポッポ!連続でたいあたりだ!」
『ポポー!』
またまたポッポのたいあたりが何回もチコリータに命中。ポッポはあと一撃で倒せそうな位弱っているのに、これじゃぁ昨日と全く一緒だ。このままでは瀕死になってしまう。そうだ‥!さっきあの技を覚えた。
「チコリータ!こうごうせい!」
『チコ〜!』
「ポッポ!チコリータがこうごうせいしている間に決めろ!たいあたり!」
「チコリータ、頑張って!こうごうせいが終わった瞬間はっぱカッター!」
『チコッ!!』
ポッポ先頭不能。ポッポがたいあたりを決める瞬間での至急距離はっぱカッター成功。はっぱカッターは命中率が100だからもちろん命中。効果は今ひとつでも至急距離なら別だ。こうごうせい、間に合って良かった!
「チコリータ〜!最高だったよ!まだ行ける?」
『チコリ!』
「ポッポ、ご苦労様。ゆっくり休んでくれ!いけ、ピジョン!」
『ピジョッ!』
初めてお目にかかるハヤトさんの2匹目はとてもとても美しいピジョンだ。いや、見惚れてる場合じゃなくて…!
「チコリータ、どくのこな!」
『チコー!』
「よし命中!次にたいあたり!」
「ピジョン、かぜおこし!」
たいあたりに向かったチコリータはかぜおこしで飛ばされ、攻撃も効果抜群だ。やばいねこれ。はっぱカッターやっても無駄だよね。
どうしよどうしよ。
「ようやく風に乗ってきたところだ!さぁピジョン!もう一度かぜおこし!」
『ピジョッ!』
こりゃやばい。ピンチだよ、とにかくこのまま何もしないわけには…!
「は、はっぱカッター!!!」
『チーコッ!』
「かぜおこし!」
『ピジョー!』
とりあえずはっぱカッターを出してみたがはっぱはもちろんの事、あっけなく風に飛ばされてしまった。チコリータもダメージを受ける。はっぱカッターのお陰で威力は少し弱まっているが、もうチコリータの体力はギリギリだ。もう、勝ち目はないの?たいあたりをしてもはっぱカッターをしてもかぜおこしで跳ね返される。もう自分の力では通用しない。 そうなると…そうだ!相手の力を利用すればいいんだ!
「チコリータ!はっぱカッターを出し続けて!」
『チコリ!!』
「やけになったか?何度やっても無駄だ!全て吹き飛ばせ!」
『ピジョッ!』
「きちんと交わしながら、出し続けるのよ!」
『チコ!』
チコリータは器用に跳ね返されるはっぱを交わしながらはっぱカッターを出し続ける。体力ギリギリなのにごめんね。でも、私の作戦はうまくいっている。フィールドにものすごい沢山のはっぱが風にのって渦をまいている。よし、あの角度でもう一度出して跳ね返されれば!
「チコリータ!私の指の指す方に向って撃って!」
『チコー!』
その瞬間、フィールド中のはっぱは凄い勢いで全てピジョンに直撃した。いくら草タイプに強くたってこの量のはっぱと何回ものかぜおこしの威力が合わさった攻撃を受ければひとたまりもないだろう。
「しまった…!」
予測通り、ピジョンは倒れた。ああ、私勝てたんだ!
「チコリータ、ありがとう〜!」
『チコー!』
チコリータをぎゅっと抱きしめて、ボールに戻す。一緒に歩きたいけど疲れてるだろうから休憩ね。
「ナマエちゃん、まさかああくるとは思わなかったよ。見事な成長ぶりだった!君にはキキョウジムを勝ち抜いた証、ウイングバッチをやろう!ウイングバッチを持っていれば、ひでんのいわくだきが使えるようになる。」
「ありがとうございます、ハヤトさん!」
私は嬉しくて嬉しくてついハヤトさんに抱き着くと、ハヤトさんは顔を真っ赤にさせた。
「な、わ、分かったから!離してくれ‥!」
ポケセンでチコリータ回復完了。次はヒワダタウンにジムがあるってハヤトさんが言ってたっけ。まだ明るい、疲れたけど向かうか!
プルプルプル―
あ、ウツギ博士から電話だ。
「もしもし!」
「もしもしナマエちゃん?あれから分かった事があるんだ!とにかくあのタマゴは君が持っていて欲しい!」
「えぇっ!いいんですか?」
「もちろん!キキョウのフレンドリィショップに研究員が居るからタマゴを預かってね!じゃ!」
ツーツーツー―
博士って、忙しい人だなぁ。結局分かった事ってなんだったんだろう。とりあえずフレンドリィショップへレッツゴー!
「ああナマエさん!ウツギ博士からお話は聞いてますね?はい、これがタマゴですよ。」
「ありがとうございます。」
「こちらこそ。何だかウツギ博士が誰かと電話をしていたみたいで、そうゆう事ならナマエちゃんしかいない!とか言ってタマゴを持たされたんですよ。責任重大ですよ〜!じゃ、僕はこれで!」
さよならを言う前に、研究員の人はフレンドリィショップをでていった。やっぱり研究所の人達は大忙しなんだな。なんか物凄いプレッシャーのかかる言葉を残されたけど‥。
フレンドリィショップを出ると、綺麗な舞妓さんにそのタマゴは?と聞かれて事情を話した。
「なるほど、それは大切なタマゴどすなぁ。ほな、よろしくたのんますえー。」
「は、はい!」
舞妓さんは去って行った。みんなタマゴに注目しているんだ。割っちゃったりしたらどうなる事やら‥!ま、そりゃぁ大切に育てますよ!たまごちゃんっ。
よし、ヒワダタウンに出発進行!
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[mokuji]
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