キキョウジム
私はとぼとぼ歩きながらキキョウジムに到着した。こんな気持ちでジム戦なんて出来るだろうか。いや、バトルに私情を持ち込んでいるようじゃチャンピオンにはなれない!これも修業!よし!
気合いを入れてキキョウジムへ入館。ハヤトさん発見!
「あの、マダツボミ塔で修業しましたよ!バトルお願いします!」
「オッス!俺はトレーナーじゃないけど、アドバイスは出来るぜ!聞いてくれるか?」
「へ…?」
「草タイプと飛行タイプはもの凄く相性が悪い!要注意だぜ!」
えぇえぇえー!あなたジムリーダーのハヤトさんじゃないの!?てゆか何そのアドバイス!確実に私の後ろに居るチコリータをガン見しながら言いましたよね!チコたんなら大丈夫だよ、大丈夫!
飛行タイプと相性が悪いって言ったって事は、ジムリーダーは飛行タイプの使い手か。チコリータの相性運の悪さはここまで続くのね…。はぁ、と自然とため息をついてしまっま。だめ!弱気じゃチャンピオンにはなれない!
私は思いきってハヤトさんがいるであろう上の階に登るとても簡単に作られた台のなようなものに乗った。
「キャァァアァア!!」
早っ!高っ!どんな絶叫マシーンより怖い気がする。しかも上の階に広がっていた光景は平均台のような道であった。人間がみんなサーカス団員だと思っているのだろうか。しかし渡らなきゃジムリーダーと戦えないようだ。ポケモンバトルの実力だけでなく、トレーナーの身体能力も試されるとは思ってもいなかった。勇気を出して私はちまちまと進んで行く。半泣きだ。早く、ジムリーダーのとこへ!
「無意味な高さに驚いたか!これでこそ鳥ポケモンの「ちょっと話しかけないで落ちるぅう!」
道の先に待ち伏せしていたとりつかいに勝負を挑まれた。ジムリーダーの弟子なのかな?ただでさえ勝敗危ういんだからこれ以上体力減らさないでくれ。
結果、チコリータで勝利。
「トレーナーになったばかりなのにこの高さを恐れない、君は見所があるな。」
いや、思いっきり恐れてるんですけど!私はその人に返事をする余裕もなくちまちま進み出した。また、弟子らしき人が見える気がする、気のせいだよね、気のせい。
ドン!
今思いっきり肩押したよね?殺す気なの?もう、帰りたい。
「おお、肩を押してもよろけないなんて見上げた奴!俺達は朝晩特訓してるんだ!かかってこい!」
固まってただけです。
またまたチコリータで勝利。どくのこな、活躍中。チコリータはやっぱり相性に負けない力を持っている。これならハヤトさんにも勝てるかも!よし!
ようやくジムリーダー、ハヤトさんの目の前まで来た。わぁ、カッコイイ。コトネちゃん、あなたの気持ち分かるよ、分かる!ジム戦、お願いします!
「大空を華麗に舞う鳥ポケモンの本当の凄さ、思い知らせてやるよ!行け!ポッポ!」
「頑張ってチコリータ!」
「すなかけ!」
「チコリータ!どくのこな!」
ポッポは毒を浴びた。よし!この調子!
「ポッポ、すなかけ!」
『ポッポー!』
「たいあたりよ!」
『チコ!』
決まった!この調子なら勝てる!
「すなかけ!」
『ポポー!』
「何でダメージを与える技を出さないんですか?チコリータ!とどめのたいあたり!」
『チコ!』
「は、外れた!もう一度たいあたり!」
『チコッ!』
「まただ!頑張るのよ、チコリータ!もう一度!」
「無駄だ!連続すなかけで最低限まで命中率を下げた。」
「そんなぁ!」
「ポッポ!連続でたいあたり!」
チコリータがたいあたりを何度も受ける。辛そうだ、どうにかしなきゃ、たいあたりが出来ない、でも負ける訳ない!私は混乱してしまってただ見てる事しか出来なかった。このままじゃ負けちゃうよ…!
「チコリータ!今まで相性が悪くても勝ってきたじゃない!あなたなら出来る!負けないで!はっぱカッター!」
『チコー』
「ポッポ!でんこうせっか!」
『ポポー!』
チコリータ、先頭不能。
完敗だ。頭が真っ白になる。倒れたチコリータを抱き抱える。
「ごめんね、チコリータ。…ハヤトさん、また明日挑戦しに来てもいいですか?」
「ああ、待ってるよ!」
ジムを出るまでも、道は怖いし、絶叫マシーン下りバージョンは上りよりも悲惨だった。体、浮いたわ!
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