噛み付きさん
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「っいた…」
首辺りからちりっとした痛感が走る。
それは嫌だと伝えたのに。
エレンはうっすら頭の中で、以前した会話を思い出した。
「……噛む?」
「兵長、ヤってる時噛むじゃないですか。あれ痛いから嫌です…」
「ああ…噛んでたな」
まるで他人事かのように返事をする。
確かにリヴァイにとっては他人事かもしれないが、こちらにとっては重要なことだ。
エレンは一つため息をつきながらコーヒーを注いだ。
おそらく癖だろとは思うが、こちらからしてみればあまり良いものではない。
噛むことを拒んでいるわけでないのだ。
ただ、リヴァイは同じところばかり噛む。
怪我をしたところに再度怪我をするようなものだ。
治るものも治らない。
おかげで最近は血まで出るようになってしまった。
それでもリヴァイはお構い無しだった。
「お前痛いの好きじゃねえか」
「好きじゃないですよ!っていうか!噛むならせめて場所変えてください!」
「無意識だから仕方ねえだろうが」
「そういう問題じゃないですよ…」
エレンは半ば呆れつつ、リヴァイにコーヒーを手渡した。
なんてことがあったが、きっとリヴァイは忘れているんだろう。
今日もがぶりと噛み付かれた首辺りがじんじんと痛む。
やはり痛いのは勘弁してほしいものだ。
「おい、何考えてんだ」
「え、ひっうあ、あ」
ずん、と勢いよく奥を突かれ腰が浮く。
首辺りの痛さと下半身の快感が混じる。
リヴァイは先程噛んだところをゆっくり舐め始める。
なんともいえない、ぞくりとした感覚。
「や、へいっ…ちょ、あ、んうっ」
「…お前も、噛むか」
「ふっ…う、え…?」
ぼんやりとした視界、目の前にはリヴァイの手があった。
いつものお返しに、思い切り噛んでやる。
そう思ったが生憎、今の自分はそれほどの力が残っていなかった。
いつか噛んでやると思いながら、リヴァイの中指の先に軽くキスをした。
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てゆう噛み癖がリヴァイにあったら良いなっていう願望!
140126