強がりさんの不器用なところ

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突然ではあるが、恋人が強がりならばどう対処するべきか。
ベルトルトは馬小屋の掃除をしながらふと考えた。
憶測で難しい。
エレンはあまり素直とはいえないからだ。
恋人同士。
うわべだけのものではないのだろうけど。
あまり素っ気なくされると分からなくなる。
愛馬を撫でながらふう、と溜め息をついた。
撫でると嬉しそうに尻尾を振る。
これくらい素直になれば。
不満を抱いているわけではない。
ただ必要とされていないと不安になる。


「ベルトルト、小屋の掃除終わったか?」
「ああ、ライナー。今終わったところだよ」


掃除器具を持ち、馬小屋をあとにした。
あまり元気のないベルトルトに気付いたライナーはそれとなく聞いた。
どうした、何かあったのか。
これは聞かない。
ベルトルトが悩んでいる大半の理由は分かっている。
順調じゃないのか。
そう聞くと苦笑いで首を振ってきた。


「ちょっとした不安とかを、自分勝手に考えているだけだよ」
「…自分勝手でもなさそうだぞ」
「え?」
「うしろ」


ライナーの発言に理解できないまま振り向くと。
そこにはエレンがいた。
なんともいたたまれない顔をしていた。
ライナーは先に行ってるぞと言い残した。
あまり良くない空気が流れている。
重たい雰囲気の中をエレンが口を開いた。


「その、あまり、得意じゃないんだ。こう、恋愛ってのが」
「え?」
「不安になってるんだろ?」
「う…ん、まあ、」


ぽつぽつと喋りだしたベルトルト。
頼られていないんじゃないか。
不安になること。
素直になってほしいこと。
エレンは話を聞いていくうちにどんどんと苦い顔になっていく。
しかしエレンが悪いわけではない。
そう告げると言いづらそうに呟いた。


「…き」
「ん?」
「好き、なんだけど、うまく伝えられなくて」
「…ふっ」
「なんで笑うんだよ!」
「ははっ、うん、可愛いなあと思って」


強がりで素直じゃないのは恋が不器用だからなのか。
これからも反発してくるんだろう。
それを愛情表現として受け取ろうかな。
ベルトルトは笑いながらそう思った。




つまりツンデレって可愛いって話。
ツンデレ要素なかったんですけど(^p^)



131021






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