現代パロ▼海
※進撃男子というか104期男子。
※ベル→エレ←ジャン要素多目です。


「来たぜ海ーっっ!」


照りつける太陽の下、砂浜に足を踏み入れる七人の青年たち。
砂というものはこれほど熱かったか。
素足で触れると、チリチリとした焼けるような感じに襲われる。
エレンは首から鎖骨へ滴ってくる汗を拭い、太陽を軽く睨んだ。
天気予報をくつがえし、見事に快晴になったのが悪いのか。
晴れなら海、雨なら室内プールと言い出した自分が悪いのか。
誰かに聞けば後者を答えるに違いない。


「あっちい…」
「エレン、大丈夫?」
「はっ、これだけでバテるとか非力だな」


心配した様子のベルトルトとは違い、ジャンは意地悪そうな顔で言う。
そんなジャンも既に汗まみれだ。
さっそく海に入ろうという事で、着ていた服を脱ぎ始める。
こんな猛暑に海では、絶対に焼けるだろう。
日焼けを気にしているわけではないが、焼けたあとはかなり痛い。
前の夏は寝れないほどに痛かった。
そんな苦い体験のせいか、あまり焼けるのは好きではない。
エレンはアルミンが持ってきた日焼け止めを貸してもらい塗り始めた。
なんと水にも強く落ちない、らしい。
背中を塗ろうとして届かないため隣にいたライナーに頼んだ。
その時ジャンとベルトルトが持っていた服を落としたのにエレンは気付かなかった。


「よし!入るぜ!」
「コニー、こけるなよ。マルコ腕時計つけたままだぞ」
「わ、ほんとだ。ありがとうライナー」
「アルミン、ビーチボール持ってきたか?」
「あるよ、エレンふくらましてね」
「いや、俺は…」
「俺がやってやらなくもねえぞ」
「ジャンはいいや。ベルトルト、頼む」
「うん、任せて」
「なんでだよ!」


そんなこんなで海に入り、いきなり水の掛け合いが始まった。
やはり海はぴりっとした味がする。
冷たい気温が心地よいが、暑いのには変わりはない。
そのあと唐突にビーチバレーが始まった。
アルミン、エレン、ライナー。
ジャン、ベルトルト、マルコ、コニー。
この二チームに別れたあと、ライナーは無性に視線を感じている気がした。
そしてジャンとベルトルトの中でライナーを倒すという同盟が組まれた。
エレンはあまり乗り気にならずただ当たらないようにしていた。
暑い中のビーチバレーは体力消耗が激しかったのは、出てくる汗が教えてくれる。


「もらったああ!」
「っうお!」


ボールを見失ってしまったエレンに、ジャンがボールを思い切り振り上げた。
いつの間にジャンの手に。
そう思ってぎゅっと目を固く閉じた。
当たる、と思った瞬間、ジャンの手からボールがこちらのコートにぽろりと落ちた。
すかさずライナーがボールを拾い、ジャンをアタックした。


「あーー!ばかか!何してんだよジャン!」
「うるせえコニー!事情があるんだよちくしょう!」
「ど、どうしたのかなジャン」
「マルコ、あれは俺もジャンに共感だよ」
「ベルトルト!?」


はたまた、そんなこんなでビーチバレーが終わり、一旦休憩に。
喉を通る水が身体中に透き通っていく。
肌がちりっとし、やはり少しは妬けたかとエレンった。


「…あっ!!」
「なんだよアルミン」
「ボール置いてきちゃったよ、ほら」


アルミンが指差した方向を見ると、先ほどビーチバレーをしていたところ。
浅瀬にぷかぷかとボールが一つだけ浮かんでいた。
エレンは取りに行く、と言い立ち上がった。
エレンが行ったあと、アルミンとライナー、コニーが飲み物を買いに行った。
ふとマルコがぽつりと呟いた。


「なんかエレンって綺麗になったよね」
「おっ、お前まさかエレンのこと!?」
「ははっ、違うよ、ジャン」
「マルコー!!財布忘れたー!」
「はいはい」


呼ばれてマルコはアルミンたちのとこへ行った。
残されたジャンとベルトルトの妙な雰囲気。
エレンはビーチバレーを持ってこちらに帰ってくる途中。


「確かに、綺麗だよね、エレンは」
「…前からだろ」
「まあ、ね」
「あのさ、ベルトルトお前はエレンのこと」
「ん?好きだよ」
「…そうかよ」
「ジャンは?」
「決まってんだろ」
「あははっ、じゃあ負けられないなあ」
「はっ、渡す気なんかねえよ」


帰ってきたエレンが疲れた、と気の抜けた笑顔を見せた。


海よりも君は綺麗だ。




夏企画最後でした!
楽しかったです!
ベル→エレ←ジャンがメインになっちゃった気がする。
二人は良いライバルになるはず!



130901


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