恋の解き方






▼学パロ



「だからちげえ!なんでそうなるんだよ!」
「はあ!?ここをこうするんだろ?」
「それはそのままだってさっきもいった!」
「なんでだよ!ってか怒んじゃねえよ!」
「教えてもらっといてなんだよそれ!」



放課後。
教室の片隅の席。
静かなはずの場所が今は一番目立つ。
周りとしては、いつものことなのたが。
期末テストまであと一週間を切り、焦る者、余裕の者様々である。
前者に入るジャンは、数学が大の苦手。
学力はそこまで低くないが、数学はいつも足を引っ張る。
同じクラスの友人何人かには聞いたのだが。
マルコに聞くと、逆に説明が難しすぎた。
コニーはもはや自分の勉学に励むべきであると思った。
もう一人、自分より少し賢いが、さほど差はない。
しかし少し聞きにくい人物だった。
後ろの席の、いつも口を開くと言い合いの始まる、いちお友人である。
それとひっそりと恋心を抱いている。
これっぽっちもそんな態度は見せない。
自分ですらその恋心を殺して、疑いたかったのだから。


「エレン、お前教えてくれるっていったくせにスパルタかよ」
「ジャンは頼んできたくせに偉そうだな?」
「仕方ねえだろ!マルコもコニーも駄目だったんだから」
「はー、だったら他のクラス行けよ」
「…っつか、ここ!もう一回説明しろよ」


はいはい、と言いながらエレンは言葉を並べていく。
向かい合う形で座っているためか、無駄に緊張する。
ちらり、とエレンを見れば長い睫毛が瞬きする度小さく揺れる。
普段あれほど言い合っているが、やはり好きな相手。
可愛い、だなんて思ってしまう。


「聞いてんのか?」
「あ、ああ…」
「なんだよ?」
「いや、その…ありがとな、助かる」
「…別に」
「まあ数学以外は俺のが上だけどな!」
「んなわけねえだろ!お前社会しか俺に勝ってねえし!」


いちいち余計な言葉を出すこの口を、どうにかしたい。
言い合っているとミカサが教室の入り口からエレンを呼んだ。
アルミンもいた。
ふと気付くともう教室にはジャンとエレンしかいなかった。
そういえば、幼なじみ三人は一緒に帰ってるんだったな。
ジャンは今日はもう終わりか、となんとも表せない気持ちになった。
少し話し、戻ってきたエレンがまた説明を続けようとした。


「なんだ?帰らないのか?」
「は?なんでだよ」
「いつも一緒に帰ってるだろ?」
「ジャンと勉強するからっていったけど」
「え…」
「お前まだ理解してないだろ?ほら、さっさとやるぞ」


きっと意味なんてないのだろうけど。
自分を優先してくれたように感じて、嬉しくて堪らない。
今、最大級に自分の顔がにやけている。
ジャンは手で口を隠した。
そんなジャンを見て不思議に思ったエレン。


「何してんだ?」
「なんもねえ…」
「…?」
「お前ってほんと、なんでそんな無自覚なんだか…」
「なんだそれ?」
「こっちの話」


伝えたら君は、どんな反応するのだろうか。
恋は数学みたいに式も答えもない。
誰か恋の解き方を教えてくれ。
ジャンはそう思い、数学のプリントに目をやった。




logで書こうとしたら長くなったのでこちらに。
というか、ジャンエレじゃな…い?
ジャン→エレ?
でもエレンもきっとジャン好きです。
その後はきっと付き合ってるはず。



130916
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