きょ、今日は俺の誕生日なんだぁ。そして俺にはなまえというかわいい彼女がいてだなぁ、つまりは少しプレゼントを…その、期待するわけだ。人間なら誰でもそうだろぉ!なんだ、そんな目で見るんじゃねぇ!
まぁなんだ、俺はなまえがあのかわいい笑顔で出迎えてくれればそれでいい。そう思って開けた談話室の扉。中に居たのはオカマとガキと…ゔお゙ぉい!どういうことだぁ!なまえがいねぇぞお!
「お帰りスクちゃん!お茶いる?」
「アホのロン毛隊長お疲れ様ですー。」
「ししっ随分時間かかったんじゃね?」
「うぜぇぞガキ共!ルッス、茶はいらねぇ。」
「なまえちゃんならもう帰ってるわよ。」
「…おう、分かった。」
そうか、帰ってるのかぁ。ならなんで談話室にいねぇ。いつもオカマとくっちゃべってるじゃねぇかぁ。…他の所も探してみるかぁ。
あいつが行きそうな場所はだいたい検討ついてんだぁ。談話室か、食堂かそれか中庭だ。談話室にはいなかったから次は食堂だなぁ。
「ゔおい、なまえ見なかったかぁ?」
「スクアーロ様!なまえ様ですか?本日はお見かけしていませんが…」
「そうかぁ。時間取らせたな。」
「いえ!」
食堂にもいねぇ。よくデザート食いながら「スクアーロ!」って笑うんだがなぁ。
残るは中庭。よくベンチで本読むうちにうたた寝して、寝言でスクアーロって呼ぶんだぁ。あの声は犯罪級だ。
外に出てみると意外と風が冷たかった。こんな中寝たら風邪引くぞぉ。
いつも居るベンチに近づくと人影。でもなんかでかくねぇかぁ?
「ゔお…お゙ぉお!?」
「るせぇ、カスが。」
「なんでボスさんがこんなとこに居るんだぁ!?」
「どこに居ようが俺の勝手だ。うぜぇからさっさと失せろ。」
「ったく、わがままな野郎だぜぇ。」
「あ?」
危ねぇ、あの手の構えは危ねぇ。つーか結局なまえは見つからねぇしな。これでも一応任務で疲れてるんだぁ、一旦部屋に戻るか。
とぼとぼと自室に戻る。点いていないはずの明かりがついている。まさか!?
「あ、スクアーロ。おかえりー!」
「てめぇこんなとこにいたのかぁ!?」
「え、うん。スクアーロ待ってたんだよ。」
「た、誕生日だから、かぁ?」
「へ…あぁあ!スクアーロ今日誕生日!!」
「…忘れてたのかぁ。」
「ご、ごめん なさい…」
「いい、気にすんなぁ。」
「…ごめんね?」
上目遣いで今にも泣きそうな顔でそんなこと言われたら、誕生日忘れられてたことなんてどっかいっちまって、思わずなまえを抱きしめた。
「わっ…スクアーロ?」
かわいい声で俺を呼ぶもんだからつい腕の力を強くした。ふわふわといい香がする。
「スクアーロ、顔。こっち。」
なまえの方を向くと僅かに重なる柔らかい唇。ほんのりとした桜色の頬が遠ざかる。それを阻止しようと後頭部に手をかけるとなまえがへちゃっと笑って俺のキスを受け入れる。
「プレゼント、とりあえずはこれで…いい。」
「もう十分だぁ。」
「だめ!あとでちゃんとあげるから!」
「じゃあ抱かせろぉ。」
「えぇえ!?そ、それ以外で!」
「…お前がくれんならなんでもいい。」
「うん!がんばるね!」
わたしだけのとくべつをあげる
美咲さまリクエスト:ふわふわした女の子、鮫の誕生日プレゼントを忘れちゃう話
110313
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