「別れよう。」
「…はぁ。」
「だってお前、俺のこと好きじゃなかっただろ。」





くそ!死ねクソ野郎!「だって」じゃねぇ!だっての使い方が間違ってんだよ!「だって」は順接の接続詞だろおが!あれ?あの流れは順接でいいのか?いやまぁとにかく!

フラれた。捨てられた。あいあむふりー。

しかも理由。なに好きじゃなかっただろって。いやいやいやいや、好きだから付き合ってたんだよね。いやそうだよね?なに勝手に決めてんの?死ね本気死ね!あー殺してくればよかった!跡形もなく殺ってくればよかった!!


「…っ、好きだった、つーの。」


ヴァリアー邸の長い廊下。自室にたどり着くのも我慢出来ずに一言こぼした。その直後、目の前に銀髪が飛び込んだ。そのせいで、出かけていた涙は引っ込んだ。


「スク、ア…ロ、なに、びっくりした。」
「てめえこそなんだぁ?ぶつかっといて挨拶もなしかぁ。」
「うそ、私ぶつかった?…ごめん。」
「…てめえが素直だと気持ち悪いな。しかもぶつかってねぇぞぉ、どうしたぁ?」
「なん、でもない。」
「フラれたかぁ。」


何事もなかったかのように通り過ぎようと思ったら、スクアーロが一言そう言った。もちろん私の心臓は異常な程飛び跳ねる。


「図星かぁ。」
「…る、さい。」
「部屋来いよぉ、話くらい聞いてやるぜぇ。」
「…いい、いらない。」
「気にすんなぁ。」


はぁ!?違う違う気にしてるとかじゃないから!今話なんかしたら泣くに決まってる。そんな私を構いもせず、スクアーロは私の腕を掴んでスクアーロの部屋に向かう。


ガンっと乱暴に開かれたドア。スクアーロはソファの上に私を落とすと、隣にどっかりと座り込んだ。


「なにがあったんだぁ?」
「…………」
「言わねぇと襲う。」
「意味わかんないんだけど。…本当、意味わかんない。」


なんでなんで。私、ちゃんと好きだったのに。いつの間にかスクアーロにぽつぽつ話始めてた。案の定泣きはじめて、所々喉がつまったけど、スクアーロは急かさず優しく背中を撫でてくれた。なに、いつもせっかちなくせに。なんでこんな時ばっか優しいんだ。


「まぁでも相手の男の言い分も分からなくもねぇなぁ。」
「な、なんで!?」
「だってお前、俺のこと好きだろぉ。」


涙も止まった。驚きすぎてなんにも言えない。まさか。まさかそんなこと…

ありえない、そう言いきれない。若干、思い当たる節がないわけでもない。でも、そんな、まさか。


「そうだろぉ?」
「いやいやないだろ。あっちゃいけない。うんないよない。」
「ゔお゙ぉい、いい加減にしろぉ。」


そう言って急接近したスクアーロ。ちゅう、と吸い付いた唇は離れるとすぐまたくっついて、ゆるゆると舌を侵入させた。突然のことに頭が回らない私は、舌が入ってきたことに驚いて身体を僅かに震わせるだけ。スクアーロはそれすらも愉しそうに見てる。


「んっ…は、あ なに、すんの。」
「なまえを俺の女にする、それだけだぁ。」


ぐっと体重をかけられて倒される。抵抗出来ない身体。嫌でも気づく。スクアーロが好きだという事実。

スクアーロが私の首筋に顔を埋めて、鎖骨を舐める。その間に、一つひとつ丁寧に剥がされる衣服たち。スクアーロが口角を上げる。


「ずっと待ってたんだぜぇ。」
「私がフラれるのを?」
「なまえを抱けるのを。」


スクアーロの長い指が胸の飾りを摘む。無駄に甘みがかった声が自分の口から出る。空いている方の手で腿を撫でられ秘裂をなぞられる。思わず腰が浮いた。


「あっ、や ん…スクアーロ、待っ、あう!」


焦らしていた指が入口から中に食い込む。その刺激に堪えられなくて言葉が途切れる。


「大丈夫だぁ、俺はなまえを捨てたりしねぇ。絶対離れないから安心しろぉ。」


頭がくらくらする。下からくる刺激もそうだけど、一番はスクアーロの台詞。なんで分かったの。私が一番欲しい言葉。


「っば、か…なん、なの、」
「うれしいだろぉ?」
「んなわけ、な、あんっ ふ、ぁうっ」
「意地っ張り。」


その一言と同時にスクアーロが一気に入ってきて、私は無駄に高い声をあげて、腰を揺らす。がつがつと遠慮なしに突いてくるくせに唇に落ちるキスはあまりにも優しい。
「うっ、あ、あ、んぅっ 」
「なまえ。」
「あっ、スク、…好き、だよ、んんっ…!」
「知っ、て る。」


きゅううと締まるナカ。それにスクアーロが耐えきれず、無理矢理引き抜いて腹に白濁を飛ばした。


スクアーロは最後にぎゅうと強く抱きしめて耳元で好きだと囁いた。





私の好きな人はあなたでした



やっと気づけた、小さく呟けば、遅ぇよ、と低い声がかえってくる。





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遅くなりました!すいません(>_<)
しかもぐだぐだ。

ヒロインちゃんの元彼が可哀相すぎますね(^q^)
そして傲慢鮫(?
余裕なスクアーロ、大好きです。



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リクエスト内容:鮫に慰めてもらう裏





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