アンラッキー6の緋色さんとのコラボ企画小説
「離したくない、ほどきたくない」の続編を書かせていただきました。
ご理解のある方のみどうぞ









「言わないだけ。いつも思ってた。」


なまえのあの恥ずかしそうな、不安そうな震える声と、期待のまじった赤い頬を思い出して顔が綻ぶ。


「ゔお゙ぉい、なんだぁご機嫌じゃねぇか。」
「うるせぇカス。俺は早く帰りてぇんだ、さっさと仕事しろ。」


スクアーロはボスがご機嫌なのがうれしいのだろう。「はいはい」と空返事をして部屋を出ていったあとには濁音混じりの鼻歌が聞こえた。



仕事を終えると我慢していたなまえへの慕情が溢れ出した。まだ俺の別宅にいるだろうか。急いで車に乗り込み運転手を急かす。俺のジャケットにしがみついた小さな手を今度はベッドのシーツに縫い付けたい。



「言わないだけ。いつも思ってた。」

まさか自分があんなことするなんて。それに対するザンザスの対応も驚くべきものだけれど。添えられた手の力強さ。思い出すと燃えるように顔が熱くなって、それを消すようにぬるま湯をかぶった。

まだ、まだあるんだよザンザス。いつも言わないだけで思ってる私の我が儘。


「おい、帰ったぞ。なまえいるか?」
「(え、ザンザス?うえぇ!?)」


早い。いつもは全然帰ってこないのに。私お風呂で素っ裸だしまだ泡ついてるし、どうしよう!

でも、何処にも行かないで、ほしい。


「ザンザス!私、お風呂にいる!待ってて!」


なまえが俺を呼ぶ声がした。安心した。早足で風呂に向かい、ドアを開けようとするがなまえが「開けないで!」と言うからドアに手を置いただけにした。


「ザンザス…ごめんね、わがまま言って。」
「なんだ、まだそんなこと気にしてたのか。」
「だって、迷惑したでしょ?」
「そんなわけねぇだろ。お前の我が儘なら歓迎だ。」
「…恥ずかしいこと言うね。」
「カッ消すぞ。」
「ごめんなさい。」


「……ねぇ、」
「あ?」
「もう一個だけ、我が儘言ってもよい?」
「あぁ。」


シャワーをきゅっと止める。バスタオルを巻いてドアを開ける。


「ぎゅう、ってして…それで好きって言って。」
「…………」
「…なに驚いてんの。」
「そんなんでいいのか。」
「うん、して。あ、それ以上のことはしないでね。」
「……あぁ。」
「(ちょっと考えた)」


ザンザスは濡れた髪をどかして私の鼻先の水を舐めて腕を背中に回す。私の頭を撫でてそのまま密着する。耳元に寄せたくちびるがさっき私が要求した言葉を紡いだ。


「好きだなまえ。我が儘くらいいくらでも言え。全部受け止めてやる。」
「…ん、」


精一杯背伸びした。踵は地面からだいぶ離れている。それでもギリギリな彼のくちびるに自分のを重ねてそのあと力いつぱい抱き着いた。



「好き、」
「お前がそれ言うのも珍しいな。」
「言わないだけ。いつも思ってる!」



君が思ってる以上に私は君のことが好きです






今回の企画は「お互いの短編のつづきを書いてみよう!」だったんですけど、私すごい素晴らしい作品の続編書いちゃったんですけど、いろいろすいませんとしか言えない!緋色さんファンの方すいません(;ω;)

緋色さん>>この度はコラボご協力いただいてありがとうございます!楽しかったです(*^o^*)
またぜひやりましょう!


110731



prev next


- ナノ -