すやすやとよく眠ってる。少しずつ暖かくなってきてるからお昼寝も気持ちがいいんだろう。 小太郎のほっぺをぷにぷにとつつくと、ちょっと迷惑そうに眉を寄せた。 そういえば、あんこはどこに行ったんだろう。どうせフランの所だろうと思ったけど、確か今日フランは任務があったはず… 「なまえさーん、あんこどうにかして下さーい。」 「あ、フラン。あんこやっぱりあんたの所行ってたんだ。」 「やっぱりじゃないですよー。ミーこれから任務なので早く剥がして下さーい。」 案の定フランに求婚を迫っていたらしいあんこは、フランの足元にしっかりと張り付いている。大きくなったなぁと思っていたけど、こうして見るとやっぱり小さい。 スクアーロ譲りの銀髪がボサボサになるくらいフランの足にほお擦りしている。…なんか変態くさいんですけど。 「うわーあんこ、セクハラはやめて下さーい。訴えますよー。」 「うった…?ん?」 「パパンに言い付けちゃうよってさ。」 「…だめぇ。パパンモサモサするもん。」 「モサモサ?」 「あんこと小太郎が悪さするとスクアーロが髪をね、ほうきみたいにして顔くすぐるの。モサモサしていやなのよ。」 「うわー隊長そんなことしてるんですかー。」 「笑えるわよ、天下の作戦隊長があんな…あ、ムービー見る?」 「見たいですー。」 「ゔお゙ぉい!何してんだぁなまえ!フランもさっさと任務行きやがれぇ!!」 「ちぇー。」 「あ、おかえりスクアーロ早かったね。」 怒鳴りながらあんこをフランから引きはがして自分の腕に抱える。 あんこは名残惜しそうに「あー…」と言いつつも、スクアーロに抱っこされているためそれほど不満はないようだ。 「なまえの言うこと聞かなきゃだめだろぉ、あんこ。」 「ぶ。」 ぺち、とあんこの小さい額を小突くスクアーロ。…か、かわいい!思わずパシャリと写メる。気づいたスクアーロがこっちを向くから得意げに笑うとずかずかとこちらに来て頬を掴まれ、そのままちゅーされた。 「…バカなの?」 「そんなに顔赤くしてよく言うぜぇ。」 「うるさい!しばくわよ!」 「ゔお゙ぉい!子供に悪影響だろぉクソ女!」 「あんたにだけは言われたくないわよ!この、」 「うわぁああぁん!!」 はっとして振り返ると大泣きしている小太郎。小太郎は疲れないのかなぁとこっちが心配になるくらい長時間泣き続ける。急いで小太郎を抱いてあやすが、案の定泣き止まない。 「もースクアーロがおっきい声だすからー。」 「お前もだろぉ。」 「やだねーパパンは、ねー小太郎?」 「ンまぁああ!!」 「あ、お腹減ったの?」 「スクアーロご飯ー。ついでに私たちもご飯ー。」 「んー!」 「あ゙ぁ!?俺がつくるのかぁ!?」 「うん、だって今、私手離せないし。」 「ったく…仕様がねぇなぁ。」 あんこを下ろしてキッチンに向かう。あ、この部屋はもちろんヴァリアー邸の中。あんこが生まれる時に隣同士だった私とスクアーロの部屋を繋げてキッチンをつけたりとかなりの改築をした。あんこは泣いてる小太郎を慰めようとぽんぽんと頭を撫でる。すると#小太郎も不思議と泣き止み、二人がうれしそうに笑う。 しばらくしてスクアーロがリゾットをおぼんにのせて帰ってきた。あんこと小太郎用の小さい器を最初に置いて、次に私の、最後にスクアーロの。そんなところにもスクアーロの家族思いな所が出ててちょっとうれしくなる。 三人で準備しといてよかったな。 「あんこ、アレ出しておいで。小太郎も、あげるものあるんでしょ?」 「「ん!」」 「? なんだぁ?」 あんこと小太郎は元気に走り出し、それぞれ目当ての物を取ってくる。後ろ手に隠したのは、パパンへの誕生日プレゼント。 「パパンっ誕生日おめでと、これね、あんこがつくったクッキー!パパンにあげる!」 「オレっ泥だんご!見てすげぇ、すべすべなんだ!」 「…くれんのかぁ?俺に?」 「「うん!!」」 「あ、ありがとうなぁ…」 スクアーロはそれぞれのプレゼント受け取り、小さく震えている。え、なに?泣いてんの? 「スクアーロ?…もしかして、泣いてる?」 「ばっ、泣いてねぇ!!」 「あ、ちなみに私からも。」 スクアーロの後ろに行って、プレゼントを首に通す。銀の冠としろつめくさのチャームがスクアーロの胸元に光る。後ろからぎゅっとだきついて耳にちゅってした。スクアーロはそれを合図にしたのか急に振り返り力任せなキスをした。 「ちょ、ん…」 「なまえ、ありがとうなぁ。ありがとうなぁ。」 「バカ、それはこっちのセリフだから。あと子供見てるから、恥ずかしいから。」「見られてる方が興奮すんだろぉ?」 「んなわけねぇだろ!はったおすぞ!」 「口が悪いぞぉ、子供に良くねぇ。」 「だ・か・ら!お前が言うな!」 「パパンとママン仲良しね、あんこうれしい。」 「オレもー。」 にこにこ笑うあんこと小太郎。二人とも待てずにリゾット食べてる。おいしい?って聞いたらまた笑った。つられて笑うスクアーロと私。こんな幸せな時間、終わらなければいいのにね。無意識に呟いた私にスクアーロが言った。 終わらせねぇよ、俺が 思わず涙が出そうになって、我慢してリゾットを口に入れたら、あったかくておいしくて、結局涙が出た。 あんこはフラン大好きっ子 120324 ←→ |