こうして仕掛け人が増えていく





『かぽー…ーん、なんて風流な音があまりにも似合わない、なんちゃって戦国時代からやってきた四人組が、我が家の玄関でこんにちは』

こんな突拍子もない冒頭文から始まった同居生活は、もう6ヶ月目に突入している。
なので。


「幸村」

「む?緒殿?」

「しぃー」


静かに、と人差し指を立てて、


「Trick or treat」

「?」


彼は不思議そうな顔。


「これ」


私が悪戯っぽい表情で彼にガムを模した玩具を差し出すと、彼は興味津々でたまらないという顔になった。


「なんでござるか?」


珍しく、小声で話す幸村。
彼にそんな能力があったとは。
同居して6ヶ月、まだまだ新発見は多い。


「これ、実は…」


ぐっと顔を近付ける幸村。そして、玩具に手が触れた瞬間。


「!!!!」


ぱんっと弾けるように後ずさり、均衡を崩して尻餅をついて、自分の手を凝視する。

してやったり、と笑いだした私。


「緒、殿…」

「静電気ですっ!伊達さんと一緒の……くくっ」


威力が桁違いだろうが。


「静、でん」

「はい、幸村。落ち着いて」


幸村の呼吸が整うのを待ってから、私は年に一度のお祭りを説明した。


「ようするに、花祭のようなものでござるか?」

「宗教的意味ではそんなかんじです」

「まことに、異国の文化は不思議でござる」

「おもしろいですけどね」


はい、と幸村にキャラメルを手渡した。


「で、他の三人にも仕掛けてやろうと思うんですが」


他の、というと伊達主従と猿飛さんがいる。
幸村はキャラメルの包装を剥がして、目を輝かせている。


「楽しそうでござる!」


それでは、と私たちはハロウィンの下準備を始めた。






猿飛さんが近くにいるのを確かめた後、私は幸村を呼んだ。


「む?」

「しぃー」


静かに、と人差し指を立てる。

「?」

彼は不思議そうな顔をつくる。


「これ」


私は笑いをこらえて、彼にガムを模した玩具を差し出した。


「なんでござるか?」


小声で話す幸村。


「これ、実は…」


ぐっと顔を近付け、玩具に触れる。


「!!!」


ぱんっと弾けるように後ずさり、均衡を崩して尻餅をついて、自分の手を凝視する。


そして、やはり視界の隅で幸村を見張っていたらしい猿飛さんが駆け寄ってきた。


「旦那!?」


目をまんまるに見開いた幸村は猿飛さんの声への反応が鈍い。
その2人の焦った表情ときょとんとした表情が面白くて、腹を抱えて笑ってしまう。


「ちょ、緒ちゃん!どうゆうことコレ!」

「静電気ですよっ!くくっ、うっ、もうだめっ」

「ちょっと!」


また笑いの波に攫われそうになった私の首根っこを掴む。


「旦那に何したのさ!」

「ぱちってきただけですよね幸村。伊達さんと一緒」

「ぱちって何!?」

「幸村、もう平気でしょう?」

「…う、うむ。少し驚いただけでござっる」

「ほんとに!?何で笑ってるの!」

「佐助、大丈夫だ」


猿飛さんが静まるのを待ってから、私は二度目となる、年に一度のお祭りを説明した。


「じゃあ、さっきのは悪戯だったわけだ」

「一応」

「まことに、異国の文化は不思議でござる」


幸村が先程と同じ感想を言う。


「おもしろいですけどね」


と私も同じ結論を言って、はい、と二人にキャラメルを手渡した。

幸村には先程渡したのとは違い、普通のキャラメルを。
猿飛さんのには、先程の幸村と同じく、とあるスパイスが入れてある特製キャラメルを。


「で、伊達主従にも仕掛けてやろうと思うんですが」

「あはー。いいね。やろうやろう」

「うむ!」


危険物とも知らずにキャラメルの包装を几帳面に剥ぐ猿飛さん。


「で、何するの?」


と言いながら猿飛さんは、ぽいっ、とキャラメルを口に放り込み、爆発。




〜〜〜〜〜〜〜〜
ぐはぁっ…!
わ…草鞋は出血多量で死にましたよ!

っていう、どうでもいい話は置いといて。
敬愛するはつゆ様から移転お祝いを頂いてしまいました…!!
ただ移転しただけなのにボロ儲K……じゃなくてなんて太っ腹なはつゆ様!
佐助爆発しちゃったよー大丈夫かなー(棒読み)
幸村が意外なほど演技派で私はギャップに胸キュンです!後の二人はどのくらいのいたずらだったんでしょうね!?なんたって忍が参加した後ですからね!雷属性の二人は静電気を感じるのか…これは永遠のテーマですよ…笑

「ハロウィンと幸村」とかいう意味不明かつ曖昧なリクエストだったのにこんなすんばらすィお話が!

私が危険とはわかっていても待ちきれなくて電車で読み、周りから冷ややかな視線を受けるほどにやけたのも仕方がない事です。必然だったんです(違う)


…うぅ、長い…最後の余計な文がうざくてすいません。

ともかくはつゆ様!素敵なお話ありがとうございました!





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