第二主人公×元就





目の前に差し出された綺麗な袱紗。

それを差し出す白い手と、かすかに赤らんだ顔を交互に眺めながら。


こんなシチュエーションはみんな願望の見せる都合の良い夢なのではないかと思ってしまった。





* * * * *






…なんていう脳内妄想ごっこはここまでにしまして。

改めましてこんにちは。相も変わらず高松城に間借りしている舜です。

いやね?つい妄想ごっこしちゃいましたけど、別にこういうおいしいシチュエーションは結構いつも通りなんです。
元就が花のカンバセを赤らめるのも、白魚も裸足で(?)逃げ出すような美しい指を俺に向けてくれるのも、ありがたいことにほぼ日常的な光景なんです。


なんですが!


まさかの!
まっさっかっのっサプラァーイズ!!なんですよ今日は!!


指輪、もらっちゃいましたっ!!


「どうして…(どうして戦国武将のお花ちゃんが指輪の交換なんて習慣を知ってるんだいハニー!?)」

「その…以前舜に貰ったので、そういう品物なのかと……」

そういう品物ってどういう品物!?恋人とか夫婦とか愛人とかそういうことですか!?そういう間柄の人たちが贈りあう物だと思ったってことですか!つまり元就は俺をそういう間柄として見てくれてるってことでいいんですかいいんですよね!?

友人同士っていう仮定を華麗にすっ飛ばして完全に俺の願望で話を進めますけどきっと問題ないはず。
だってお花ちゃんまっかっかで大照れしてうつむいてるし。もし誤解だったとしても俺は悪くないよ!お花ちゃんにも責任がなかったなんて言わせません!

「元就…?」

「で…、出過ぎた真似をしているのは分かっている…!だが、その…」

ためらうように息をのむお花ちゃん。
その一瞬で変な期待を膨らます残念な俺。

「どうしても、舜とそろいの物が欲しかったのだ…!!」

震える声でそう叫んだ元就の顔はもちろんさっきよりもいっそう赤く。その上困ったみたいに八の字に下がってしまった眉毛を控えめに寄せて潤んだ瞳で上目遣い。もはや言うまでもなく俺のウィークポイントに超クリティカルスマッシュヒットなわけでして…!!

たまらんぜ…もうほんのちょっとギリギリ紙一重のところで殺られてしまったと言って良いでしょう!俺のハートは無事じゃなかった!

「元就…………ありがとう(めっっっちゃ嬉しいんですけどーっ!!!)」

「!!」

抑えきれないのでにやけてしまう顔はもう仕方ありません!だってお花ちゃんがかわいいから仕方ないじゃないですか!恥じらいやら困り顔は罪ですよ!?正義だけど罪!俺はこの最強の相手と毎日毎秒戦っている!(?)

「おそろい、な」

「はい!」

ぐぁ、眩しっ…!
あぁ…でもやっぱり元就は笑顔が一番。
俺はその百点満点のはなまる笑顔にぞっこんです!

その笑顔をいつまでも一番近くで見させてね!





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