第一主人公×佐助





有能で勤勉な我らが忍は、今日も今日とて武田主従の無茶な要求に応えて来たらしい。
部屋に入るなり疲れたと言ってへたり込んでしまうのもいつも通りと言えばいつも通りだ。

しかしいつもと違ったのは、お疲れと労りに近付いたら急に顔を上げて自分は頑張っているよなと言って縋りつかれた事。

それから、


「…佐助」

「なぁに大輔ちゃん」

「どうして俺は縛られているんだ…?」


普通だったはずのやり取りの後、気付けばさくさくと手が後ろに回されていた事だ。

幸いに手以外は拘束されていないが、何故こんな事をされているのか、目的は何なのか。
何より、どうして佐助はそんなに良い笑顔でいるのかが気になって仕方ない。


「だって俺様、がんばってるよね?」

「頑張ってるな」

「労ってくれるんだよね?」

「勿論、俺に可能な範囲でなら」


じゃあ、と言って更にもう一つにっこりと、だめ押しのような笑顔を見せた。


「ご褒美ちょうだい」

「…ご褒美…?」

「今日は大輔ちゃんまぐろしてて」

なんでとかどうしてとか思う所が無いとは言えないが、とりあえず腕を縛られた理由だけは判明した。
確かに佐助の言う通り、これでは何も行動は起こせない。
いや起こせないけどよ。


「だって俺様からも大輔ちゃんに触りたいし」


気持ち良くしてあげたいんだと拗ねるように俺の着物を握り締める。
それはまるでいつもは佐助がまぐろのような言い方だが、…しかし正直、普段から結構積極的に動いてくれる方だと思うが。

と、思った俺を見透かしたように


「足りない。あれじゃ全っ然足りない。俺様はもっといっぱい大輔ちゃんを感じたいの!」


そう言ってのしかかってくる。
なんて察しの良い相手だろうかと思う半面、するすると脱がされていく着物に手際の良すぎる相手だなとも思う。


「そういうわけだから大輔ちゃん、今日は動かないでね」


と、それはもう嬉しそうに綺麗な笑顔を見せる佐助。そんな顔を向けられたら…なんというか不安半分、期待も半分出てくるわけで。

本当は突然こんな行動に移る前に言って欲しい気もするが、若干手が痛い以外にはなんの問題も思いつかないから良しとしよう。
むしろ、色々と溜まるまでは行動に移せない佐助のささやかな葛藤を想像すると何とも言えず可愛らしい。

…なんて思う俺は趣味が悪いのかもしれないが、とりあえず今日は縛られたままでいようじゃないか。









* * * * *






自慢のテクを披露したい佐助(違

記念文が変態チックですいません(-_-;)





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