バレンタイン
クリスマスから続く恋人同士のイベント第二の山場、バレンタイン。
そんな時期のデパート、しかもチョコ売り場で、まさかこの人に会うことになろうとは。
「毛利の旦那?」
「…武田の忍か」
よく見ればその手には見比べるべくいくつかの可愛らしいラッピングが。
どうやら並み居る女性軍に混ざっても、まったく恐れることなく悠々とそれ用のチョコレートを選んでいたらしい。
「それ舜ちゃんに?」
「貴様には関係なかろう」
フンとそっぽを向くものの、まぁ他に考えようもないしね。
甘党の毛利サンが選ぶなら、きっとオススメNO.1で味も間違いないだろうし。
舜ちゃんも幸せ者だねー、と思っていたわけなんだけどさ。
「フン。やはり所詮貴様はその程度だな」
「なに…?」
会話に混ざってきたかすが。
そして得意気にたった今買ってきた材料を掲げて見せる。
「私は手作りちょこだ!大切な方に出来合いの物を差し上げるなど話にならん!」
「……職人の作るものの方が味がよかろう」
「自信がないのか?まぁ、貴様には真似できん芸当だろうからな」
「くっ…!貴様…調子に乗りおって…」
いやいや、胸張って言ってるけどかすがだって作れないでしょ。だからこうして俺様が引っ張り出されてるんだからさー。
にらみ合う二人に気押されてデパートの中は若干吹雪が。
あーもー、こんなこと大輔ちゃんが知ったらまた頭痛の種になっちゃうよ。
「はいはい、かすがは意地悪しなーいの。そんなこと言ってるとちょこ作り手伝ってあげないよ?」
「なに!?約束が違うぞ!?」
「フン!笑止よ、貴様も作れんのではないか!」
「毛利の旦那も。作りたいなら教えたげるから、その喧嘩腰引っ込めな」
言えば、持っていたチョコレートはすでになく。ものすごく速やかに元あった場所に返し終わっているらしい。
そんなに作りたかったのね…。
「…じゃ、とりあえず毛利の旦那の分も材料買い足しにいきますか」
なんかこの面子だと、本当に今日一日で作れるのか…なんとなーく不安ではあるけどね…。
* * * * *
「はーい。んじゃ皆さん揃ったところで始めますよー」
「待て。上杉はわかるが何故伊達がいるのだ」
チョコ作りの舞台はもちろん言い出しっぺの上杉家。
軍神サンも加わって、さあいざ作ろうという時に毛利の旦那がそんな茶々を入れてくれる。
ま、もっともな疑問なんだけどね。
「いやー、だっていくら俺様でもさすがに(こんな面倒そうな)三人なんて見きれないし?助っ人助っ人」
「Yes.わざわざ呼ばれてやったんだ。感謝しろよ?」
ええー、という感情丸出しな表情だが、二人とも竜の旦那の腕前は知っているせいか文句は言わなかった。
(「Stop!女、Chocolateを直火にかけるな!」)
(「何!?溶かせと言ったではないか!」)
(「湯煎って言ったでしょかすが!」)
(「も…毛利の旦那…?包丁の持ち方怖いんだけど…」)
(「仕方なかろう。固くて刻めん」)
(「「いやいやいやいや!!」」)
(「どくがんりゅう、もじをかきたいのですが」)
(「Ah?なんて書きたいんだ?」)
(「“大輔へ”と…」)
(「!??(嘘だろぉ!?)」)
〜〜〜〜〜〜
えぇ、オチませんよ。
ただ単にキャッキャ的なものがだらだら書きたかっただけですから。
先生方おおわらわで生徒の突拍子もない行動に大慌てすればいいと思います。
謙信公のまさかの大輔狙い発言に佐助は大慌て。政宗は面白がる感じで。
でも謙信さんは信玄公やらかすがやらみんなにあげる予定…という私の予定。
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