どうせなら手を繋いで





武田式クリスマスの準備のために商店街の店をはしごしていた、時。


通りの右手、本屋から大輔ちゃんが。
通りの左手、100円ショップから舜ちゃんが。

それぞれ同時に出て来たと思ったら。


「「佐助」」


それぞれ同時に俺様の名前を呼んで、お互いにちょっとびっくりしてた。



同じマンションだし、そのまま何となく流れで一緒に帰ることになったんだけどさ…。


片や、ナチュラルに荷物とか持ってくれちゃう大人な大輔ちゃん。
片や、一緒に歩いてるだけでみんなから羨ましがられる舜ちゃん。


もしかして、これが両手に華ってやつ?




『…っくし!』


なんて…そんな状態にも関わらず俺様は格好悪くもくしゃみをひとつ。

…まぁね、そりゃあね、こんな二人に囲まれてたら、見ず知らずの誰かにだって噂されるに決まってるよね。


「佐助」


呼ばれて振り向けば、手際よくマフラーを巻き直される。
大輔ちゃんは本当によく気を回してくれるなぁ、なんてちょっと感動していたら。


『ん…っ』

「口開けてるから寒いんだろ」


離されて、ぷはっと息をする。
あんまり平然とキスする大輔ちゃんに思わず顔が熱くなる。
そんな自分を見て、悪戯っぽく笑う大輔ちゃんにまたくらりときてしまった。


「…離れて」


しかもそんな俺様と大輔ちゃんの間に、まさか舜ちゃんまで割って入ってくるなんて、予想外。


「寒いなら…手、繋ごう」


そう言ってそっと差し出された手に思わずきゅんときてしまう。
普段のクールさはどこへやら、年相応に誰かに対抗心を持ってる舜ちゃんなんて初めてみたよ。

本当にもう、予想外すぎ。


「だったら、俺と繋ぐか?佐助」

「…佐助は俺と繋ぐんだ」


バチリと二人の間で火花が飛ぶ。
にらみ合うなんて、この穏やかな二人にはありえないくらい珍しい雰囲気で。


「…このままじゃ埒が開かねぇな」


数秒間そのままにらみ合ったあと、ひとつ息を吐いて、誰も楽しくないだろうと大輔。
素早い目配せの後、二人が同時に振り返る。


「どっちと繋ぎたい佐助?」

「…佐助が選んで」


言って、あとは静かに見つめてくるだけ。
この二人に同時にじっと見つめらると普段の何倍もドキドキしてしまうって、二人はちゃんとわかってくれているんだろうか。

交互に目線をさ迷わせ、その度に心臓がそわそわする。

選びかねて選びかねて、迷いに迷いを重ねた挙げ句。


ついに俺様が出した結論は




『三人で…っていうのは、だめ?』


ね、と言って促せば、困ったような迷うような、平たく言えばちょっと嫌そうな顔をした。


それでも数拍黙って考えた後は



「………佐助が、それがいいなら…」

「仲良くするのも善処するけどよ…」


二人とも笑ってそう言ってくれるから。


『ありがと大輔ちゃん!舜ちゃん!』


大好きと言って抱きつけば、両側から二人に撫でられた。




確かにこの二人を一人占めなんて、贅沢すぎてバチが当たりそうだけどさ。


今日だけ。

サンタクロースのプレゼントってことで、ね。



まぁひとつ、大目にみてよねダンナたち。







(甘やかしてください。)




管理人の趣味まっしぐら〜笑
どうですかたまにはキャラの逆ハー。
主人公から選び放題\(゜∀゜)/

…はいすいません。遊びがすぎました;





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