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…少しだけ、身の上話をさせてもらっても良いだろうか。
俺は一般人が言うところの魔法のようなものが使える一族で、分かりやすく言えば陰陽師のようなものだ。
そういう関係で術やまじないの訓練や開発もしている。
………。
だから…今回の一件は、まあ…手違いのようなもんだ。
失敗して次元を越えちまったのも、出現したのが水の中だったことも。
『………っは!』
やっとたどり着いた水面で、久しぶりに感じる酸素を目一杯取り込んだ。
あんまり下から上がってきたせいで目の前がチカチカするが、そのうち元に戻りそうな分だけありがたい。耳鳴りもまだ残っているし、一体どれだけ深いところに出てしまったのやら。
ようやく水面に上がった時はやっと一息ついたと思ったぜ。
…刃物が降ってくるまでだが。
全く、今日は珍しいくらいの厄日だな。
(半分自分のせいなのが余計に滅入る)
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