通じる?
「孟隻さんっ!」
【佐助か】
「なーんとなく、呼んでくれてるのはわかるんだけどね〜」
【その先が続かないんだよな】
「あ、でも孟隻さんはわかってるのか」
頷く。
「簡単な話ならできるってわけね」
【頷くだけで良ければ】
「肯定、?だよね?」
頷く。
「ねえ、ちょっと匿ってくれない?」
【何で、とは聞く必要がないな】
「今、俺様ダンナに追われてるんだよね」
【知っている。遠くで名を呼ぶ声がするぞ】
「いい?」
【今回はなんだ?また菓子について揉めているのか?】
「…聞いてる?孟隻さん」
【仲が良いなお前ら】
「ねぇ、笑ってないでなんか返事してよ。ていうか頷いてよ」
【少し羨ましいよ】
「わかんない」
【お前が本気で隠れたら、どうせあの子供には見つけられまいに】
「わかんないってば」
【付き合ってやるところが優しいじゃないか】
「孟隻さん!」
【隠してやるとも】
「…もっと早く返事してよ」
【短気な小僧だ】
「もしかしてからかってる?」
【そうむくれるなよ】
「笑っちゃってさ…、って、なに?」
【ついでに会話の練習手伝ってくれ】
「…え?どっか行くの?俺様も?」
【会話だよ。話し方】
「口?喉がどうかした?」
『あ・うぃ・あ』
「…?もういっかい」
【…結構、難しいんだがな。『くわぁ・い・わ』…どうだ?】
「…!会話か!発音なおすんだ!」
頷く。
「聞いた通りに言うだけじゃないの?」
首を振る。
「ふーん。確かに変だったわ」
【…遠慮のない奴だ】
「あ、今ちょっと怒ってる?」
「真田幸村」
『さなだうきむら』
「ゆーきーむーら!」
『ゆ・き・む・ら』
「おおー。じゃあ俺様は?」
『しゃしゅけ』
「うーん、微妙」
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