出会う





ふらりと来たあいつが、突然いなくなって暫く。
あれだけ捜したこの領内にまだ隠れる場所があったのかと思う。

その相手が今、ほんの少し、手を伸ばせば届きそうな目の前にいるのかと思えば気持ちも高ぶるというものだ。


だがそれ以上に。


「そんなに異人が珍しいか?」


自分を見据える目が、今まで見たこともない程の鋭さを孕んでいるから。


『…オレを覚えていねぇのか?』


こんな敵を威圧するような眼差しを、今まで向けられなことなんかったから。


「さて…お前に会った事なぞ会ったか」


本当に、目の前の相手はオレの知るヤツなのかわからなくなっちまった。





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