女王バチ3匹目





グシャッ!とかバシャン!とかそういった痛そうな擬音はなく、気がつけば俺は椎の木の下に座っていた。

落下してたのになぁ?

これが天帝さまの愛情なのかな?


「オーー!!」


なんだ?


「アナタ!今空カラ舞イ降リてきマーシタ!!」


誰?ってか濃い顔だなー。
しかもトンスラって…また、強烈な髪型だ。キリスト教?
なんて怪しさ満点なオッサン。


「シカモー!?トッテモカッコイーヨ!?」


しかも、とってもうるさい。

声も図体もでかいんだよ、コイツ。

無駄に距離近いし…ちょっとイラつくなぁ。


「オー!ソンナに睨まないデクダサーイ…ワタシ、ドキドキしてしまいマース…」


気持ち悪…!
顔赤くすんな!!くねくねすんな!!流し目をやめろ!!!!


…でもですね?結構ムカついてんですどね?
習性って抜けないもんなんですよ。

俺の顔、1ミリもそれを出さない。
超無表情。

だって、元の世界で俺が反応するとさ、どんなんであれ周りが騒ぐもんで極力無反応に徹してたわけですよ。
喜べばエスカレートするし、嫌がれば挽回にいろんなことしてくるし。

だから今も多分ぜったい、コイツ気づいてない。
すっごい不便。すっごい不快。
頑張って俺の表情筋!


「アナタ愛の化身ネ?隠してもダーメ!ザビーにはお見通しダヨ!」


とかいってなれなれしく触ってくんじゃねーよ!
だったらもう自分で立つし。消えてくれないなら、俺の方で歩いて消えますから。


「生きボトケサマー!?ドコ行くの!?待ってクダサーイ!…逃がさナイヨー!!」


はあ?!

最後のセリフがいただけねーよ!敬うならちゃんと敬いやがれこの野郎!!



…というわけで。

香月舜、ただ今全力で拉致られ中。

みんなは怪しい異人さんに気をつけて!!?





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