水蜜桃
「……舜、さま…」
消え入りそうなか細い声で俺の名前を呼ぶのはもちろん、我が愛しのエリーですとも。
こんにちは。前回から引き続き幸せの丘に住んでいる香月です。
…ええ、いまだにみんなは女の子ですよ奥さん(?)
まぁ服は普通のに戻っちゃいましたが。
いやしかし十分すぎるほど俺は幸せでしたよ?そりゃもう、眼福でした……
「あの……」
何しろ美人揃いですからね!
目のやり場に困るっていうか、目移りしちゃいますよね!
でも俺の一押しはお花ちゃんですけどね。
「…舜……!」
…そろそろそのお花ちゃんの限界くさいですよ。
まあね、恥ずかしがりな元就にはキツい体勢だってはじめからわかっていましたさ。
なんたって今の体勢は膝だっこ。
胡座の俺の上にお花ちゃんが乗ってます。(軽い!)
今やもう真っ赤なのは顔や耳どころか首までだし、肌がくっついてるところはかなり熱いし。
…いい加減離してあげなくちゃってのはわかってるんだけどさ…
『………離したくない…』
「…!!!!!!」
だって元就の体めちゃめちゃ気持ち良いんだから!(いやいやいや抱き心地の話ですよ?)
なんていうか、こう…
…すげー柔らかいんです……。
確かに男の子な元就も抱き心地は良かった!良かったですよ!華奢感丸出しでもー、硝子細工っ!(?)って感じで。
大事にしなくちゃ、ってめちゃめちゃ思いましたもん!
で・も・ね・!!?
女の子な体は別格!別格なのですよ!
つるきゅうふか…って感じですから!
…いや確かに意味不明な擬音ですけど全くもって間違えちゃいませんぜ、俺は!
つるすべな肌に思わずきゅうっと抱きしめるともう、ふか…っとこう柔らかいんです……やばいっすよこの感触は…一度味わったら病みつきです。冬場の布団より離れがたいですから。
こういうのってどちらかというとグラマラス(死語)な人とかに多いもんで、元就みたいに細いと珍しい…てか、まぁまずあり得ない感覚のはずなんだけど……奇跡?
元就は奇跡の体現者ですか?
天帝さま…!ありがとうございます!
『…(うわー…やっぱ無理だー…)…離したくない…(二度目)』
だって気持ちいいんだよ…!?
離れるとか無理。無理無理。
「あ…舜、さま…」
ま、自分でやっといてなんだけど、この体勢も原因なんですよね…!
目の前のうなじ、細い首!抱きしめた時に俺の顔にさらさら触る綺麗な髪!
……あと腕に当たる胸とか足の上のおしりとか…ああそうですよ!俺は変態ですよ!
心の底から肯定します。声を大にしてそう宣言できますとも。結果罵られても構いません!
だ・け・ど・離したくないんですってば!!
てか変態に美少女与えるとか結果丸わかりじゃないですか!離れるわけがないでしょ!
それにまたいつ男の子に戻っちゃうかわかんないから抱き貯めしておきたいんです!
『嫌か…?』
「そんな…っ」
目の前のかじりつきたくなるような肌。なんとか鼻をすり付けるだけで我慢します。
途端に固くなる元就をもう一度強く抱きしめて。
あー…なんか、普通の女の子を抱きしめるよりドキドキするかも…。
初めは元が男の子だから中身が同性だし楽かもなんて思ったけど、逆に変に緊張する…。
元就だって同じ男には甘えづらいだろうし?
『「……………」』
しかしその結果、お互いになんか緊張して不自然な間が…。
…うーん………気まずい…(自業自得だけども)
…しょうがない。非常に残念ではありますが……
「……舜…」
しかし手離そうかと思いかけていた俺の手を押さえたのは…
『(……お花ちゃん…?)』
「……………我も………、嫌なわけではないのだ…」
つい、とうつむいて頬を染める可憐な美少女…
落とした視線の先には俺の服の端をきゅっと掴む細い指…
………………
………こ
……こ・こ・で・デ・レ・かっ!!!
今までとは態度一変。密着率まで上がって(るような気がし)ます!
これかツンデレ!やるなツンデレ!(ツンないけど)
単純な俺はイチコロですよ!!
もう、俺にこの手は離せません…!
てことはつまり、元就が自分で逃げてくれるのを待つしかない!
早くお花ちゃん、超逃げてー!!
ああでも…たまにはこんなラブラブな日があっても良いですよね!
…ね!?お願いだから同意してください!
なんて…反省の色がない香月でした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
政親佐助辺りが騒ぎそうですがそれはまぁ、置いといて。
はじめから終わりまでお花ちゃんを描写して終わってしまったんですがこれでいい…わけねぇーだろうがあー!
っていうのは重々わかってるんですけども…………草鞋は死にました。(コラ)
この話は飛鳥様に捧げております。
飛鳥様、ヘボいですがよければお納めくださいませ。返品・スルー喜んで!
元就しか出てなくてほんとすみません…
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