A strained story.
どうも、香月です。
……………。
……いや、今の状況をなんて説明したら良いものかと迷っておりまして。
…うん、やっぱり始めから話します。
頭から話して終わりまできたら止めます。
そもそもの始まりは…多分あれです。
天使さまが来たあたり。
こっちの世界に戸籍を移してはや数ヶ月。この世界に対する俺のあまりの認識不足を心配した天帝さまが、この世界の仕組みを教えるよう天使さまを遣わしてくれたんですよ。
嬉しいですね、ありがたいですね。過保護な感じが俺向きですよね。
で、やってきた天使さまがくれた常識強化教材がこれ。
いわゆるゲームの取説。むしろ攻略本天帝さまスペシャル。(どの辺がスペシャルかは比べられないからわかんないけど、明らかにこれ裏情報だよね?みたいのがいっぱい載ってるんで。)
で、それを教科書に天使さまから授業を受けて、「あー婆裟羅者ってそういうことかー」とか、「秀吉独立してんの!?」とかいろいろ理解しました。
結構違いがありました。
で、そんな中、俺がものすごい関心を持ったページがこれ。やっぱり女性陣の紹介ページですよ。
皆さま胸が素晴らしい!そして服も大変素晴らしいのですよ!そしたら天使さまが
「お前がそこまで気にするとは珍しいな」
って…あ、言い忘れてましたが天使さまとはテレパシーで会話してます。
まあ、俺は心読めないんで、一方的に天使さまが読み取ってくれて、声で返してくれるんですが。
ともかくそんな風に心で直に無駄に熱い思いを伝えたところ、ムニャムニャムニャな感じで話し合い(半分俺の語り)が始まり、気づいた時にはなんかすごい結論になっていたんですよ。
そして、結果が今…みたいな?
…やっぱり重要なとこ抜いちゃいましたが。だってかなりヒドい内容だったんですもん。
まあ、とにかくそういうわけで(?)、俺の幸せの丘、再来です。
さよなら男の子なお花ちゃん方。
こんにちは女の子なお花ちゃん方。
しかもなんと!
今回は更に女性陣衣装コスプレというおまけつき!
この辺りが例のムニャムニャ談義の結果ですとも。(だって本物に会いたいって言ったら、天使さまがそれはまだ駄目だって言うから…)
ま、そんな訳で。ともかくも、以下そんな夢のような一日の一場面でございますよ。
* * * * *
「猿は大人しく引っ込んでろ!」
「そっちこそ、保護者と一緒におうちに帰りなよ!」
目の前で言い争うのは政宗さんと佐助さん。なんかこの光景がだんだん当たり前になりつつあるんですが。
この二人はどっちがかすがさんの衣装を着るかで、さっきから三十分は言い争っているのです。
…片方は第二衣装を着ればいいじゃないかって?
ええ。まったくその通りなんですが…
天使さまに協力してもらって、一番に会った小太郎の服を、かすがさんの第二衣装(あの「え!?それ服!?紐ですよね!?」っていうあれです)に取り替えてもらったのはこの私です。
小太郎超絶似合います。
…俺のバカ!もうちょっと待てばこんな騒ぎは起きなかったのに…!
でも待てなかったんです!早く見たかったんですよ!
だって紐衣装ですよ!?無理しても布きれ!
そんな格好をした女の子を侍らすとか青少年の夢じゃないですか!!
「貧乳が!」
「色ボケのくせに!」
二人とも他の子と同じ服を着るのは嫌らしく、さっきからこんな調子なわけですよ。とりあえずみんなナチュラルにコスプレを受け入れてくれて良かった。これも天使さまの神通力なんですかね?
まあ、今更後悔しても遅いし、ヒートアップする二人もそろそろ限界くさいし。殴り合いに発展する前には打開策を打ちたいところです。
『…三人は?』
とりあえず隣りに並ぶ元就・元親・小十郎の三人にも、一応希望を聞いてみたり。
「わ…我は………あまり露出の多いものは…」
「俺も、上杉の忍みたいのは流石に…」
ですよね。普通そうですよね。
…ちょっと残念だけど。ていうか元親さんは普段半裸じゃん。
「俺は…香月様が見たいと仰るなら…」
「なっ…!?それは我だって…!」
「お、俺だって香月が言うならき、ききき着るぜ!?」
え、本当?…いやいや俺だって我慢くらい知ってますよ?…たぶん…ちょっとくらいなら…。
無理強いはしませんよ。…たぶん。めっちゃ自信ないですけど…。
しかし三人にも特に希望がないなら、俺の方から平和的かつ公平な決め方を提案させて頂きましょう!
だって早く見たいからね!!(本音)
* * * * *
はい。そんなわけで!
皆さんの衣装が決まりました!
公平にあみだで決めましたとも。(ジャンケンは知らないっていうんで)
小太郎以外の五人と女性キャラの衣装をいっぺんに決定です。
…本当はどの線を選ぶかでもう一悶着あったりなかったりしたんですが、もちろんスルーです。割愛です。
「香月さ〜ん」
一番に着替え終わったらしい佐助さんが、障子からぴょこっと顔だけ覗かせて。
「できたよ〜!」
その頭には普段の額当て代わりに緑の頭巾。
そうです。佐助さんは「まつ」さんのコスプレをしてくれているのです!
「どう?似合う?」
『(ものすごく!)』
頷くと、えへへっとか笑いながら部屋に入ってきてくるっと一回転してくれました。その姿は、もうそのままお嫁にいただきたいくらい可愛いんですよ!
食事中におかわりとか聞いてくれたらその度に抱きしめたくなるようなお嫁さん風です。
なんて言うんですか?健康美?やらしいようなやらしくないような爽やかなような…。
体操着みたいな服と腰の防具が佐助さんの美尻を強調していて…げふんごふん…そういえばまだ隣に天使さまがいらっしゃるんでした。みんなには見えないけども。
ま、あのトークをした後だし今更ですけどね!
「Hay!香月、待たせたな!」
通る声と二人分のシルエット。
紛れもなく伊達主従のご登場でしょう!
さっと開く障子の向こうに現れたのは、「濃姫」さんの衣装を着た政宗さん。胸と脚のスリットが開きすぎです!大歓迎ですけどね!
佐助さんとは違う意味で抱きしめたい!セクシー全開のくせに頭に可愛いお花なんかつけてるところがまたギャップで良いです!
「俺を娶る気になっただろ?」
『(そりゃあもう、なりまくりました!)』
しかしそんな幸せを噛みしめる視界には、更にもう一人いらっしゃることを忘れてはいけません。
政宗さんの脇で障子を開けた張本人、言わずもがな小十郎さんですよ。
こちらはなんと!「お市」さんの衣装なんですぜ!?最年長の方が最年少(おそらく)の方の服を着るこのギャップ!
エロい!エロすぎますよ小十郎さん!!着物が露出度低めで清純っぽいだけになんか…背徳的?ああ!俺のボキャブラリーの貧困さが恨めしい…!
とにかく、なんかうずうずそわそわするようなヤラシイ感じなんです!!
まったく、このエロ主従ったら!!最高!
…と、いうわけなんですが。
ちょっと思い出してくださいよ。
衣装を取り合っていた二人は、共に違う服を着ています。小十郎さんもお市さんの服です。
Q.では問題のかすがさんの服は誰が着ているのか?
A.彼です。
「…香月ー……これ…」
襖の影からうっすら赤い顔を覗かせてるのは噂の巨乳ちゃん、元親さんです!
その姿ったらもう…破壊力抜群!山と谷の差が芸術的としか言いようがないんですよ、えぇ!
「なんか…裸より恥ずかしいなこれ」
『(照れてるところもいい!でも腕で前を隠さないでください!もう俺、変態呼ばわりでも構いませんから!)』
一番の巨乳さんが一番際どい服を着ることになるだなんてあみだの神様が気を聞かせてくれたとしか……はっ!?もしや天て…あ、違う?…はい。今天使さまから訂正が入りました。ちょっと安心しました。
ていうか真っ昼間の和室にその格好って、やらし…現代日本なら捕まりますよ?
本当にここが戦国ゲームで良かった!!
心から良かった!
『皆…よく似合ってる』
本当にこんなろくでもない妄想に付き合ってくれてありがとうございます。天使さまをはじめとして関係者様がたに深く御礼を申し上げます!
もう、へらへらと締まりのない顔を引き締めきれているか自信がありませんよ俺は。こんな気持ち悪い人を囲んでくれてありがとう花のような皆さん。ちょこちょこ赤い顔で恥ずかしそうなのに本当に優しいですよね!
「舜…」
と、ちょっと締めに入りかけたところで、何かを決意するような声が。
…はっ!?そういえばまだ例の衣装と元就がまだ…
「…失礼いたします」
元就が入って来た瞬間、水をうったような静けさが部屋に広がりました。
…かく言う俺も言葉を継げないような状態だったわけなんですが。
元就に着てもらうことになったのは、「いつき」さんの服。
いつきさんというか…いつきちゃんですよね。だって子どもだし!半分冗談であみだに書いた選択肢がまさか、ま・さ・か・!お花ちゃんに当たるなんて考えても見なかったんですよ!!
政宗とかあたりに当たったら笑おうと思ってたのに!
「「「「「…………」」」」」
「…貴様ら、言いたい事があるならはっきり言えばよかろう」
ぽかんとしたままのみんなに向いて、照れているのか憮然とした態度でそう言い放つ。プイッと顔を背けた拍子にちょろんと短いツインテールが揺れています。
……………。
『…元就』
「!、はい…」
手招けば、引け目があるのかおずおずと寄って来る。
言うまでもなく、俺はその手を取って引き寄せましたよ。というか抱き寄せましたよ!
「「「「「!!!??」」」」」
「っ!?舜さま!??」
『…可愛い』
白くて細い手足がノースリーブ+短パンから惜しげもなくさらされ、滑らかな肩までむき出しなわけですよ。そしてツインテール…!
俺、ロリの趣味は全然ないですけど、この元気っ子スタイルはヤバいですよ!てか、いつきちゃんこんなヤラシイ格好しちゃだめだよ!!周りの大人は注意してあげてください!
てか清楚でおとなしい控え目な元就がこの服をこんなにも着こなすなんて予想外でした!なんという嬉しい誤算!
それにしてもお花ちゃんお肌つるスベ…。このまま抱き枕にしたい…。
腕の中の元就が首まで赤くなってるけど気にしない。俺の暴挙に周りの非難がすごくても気にしません!
だって俺、今目一杯幸せだから!!
天使さま夢のような一日をありがとうございます!こんな展開を見せる勉強なら毎日でもやりたいなんて思っちゃってる愚か者ですが、これからもどうぞよろしくお願いします!!
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