藍
日課となった半兵衛への治療の最中、
ふと気づいた。
小さな手、その白い中に赤く目立つ肌荒れ。
そういえば、半兵衛はこのところよく水仕事を手伝ってくれていたな…。
「だいすけ?」
術が終わっても放さずに、そのまま半兵衛の手を取る。
普段と違う俺の行動に少し不思議そうな顔をして振り返った。
『早く気付けば良かったな』
「ああ…これのことか。なんでもないよ」
これくらいと言われても、普通は気になるだろ。
どうやら子供の肌は弱いらしい。
この分じゃあ他の3人も荒れてしまっているんだろうか。
『薬、買いに行くか』
ハンドクリーム。
使ったことは無いけれど、多分効くんじゃないだろうか。
『ついて来るか?』
返事の前に抱き上げているが。
「ほんとうにかほごだね、きみは…」
『薬も塗ってやろうか?』
「ばか」
過保護で結構。
顔まで赤くするような可愛い子供が悪いのだ。
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