屋台

2010/08/20 18:34


チカちゃん+りんごあめの主張に賛同してくださった方がいらっしゃったので若干調子に乗りました(^∀^;)
以下はそんな小話です。
だれかもっと素敵なりんごあめ話を…笑





* * * * *






主人公×元親
主人公の名前は仲双で固定です。





* * * * *






浴衣や甚平にうちわと扇子。賑やかな話し声と屋台の呼び声が混ざって、普段では考えられないほど賑やかな夕暮れ時。

そんな中を二人で連れだって歩けることに小さな幸せを噛みしめずにはいられない。


「元親さん!」


呼ばれて横を振り向けば、はいと差し出されたのは何とも可愛らしいりんごあめ。
ちょっと離れていたと思ったら、そんな物を買いに行っていたなんて。


「じゃんけんに勝ったら二つ貰えちゃいました」


にこにこと楽しそうな笑顔にみとれて一瞬受け取らずに止まったら、途端に嫌いでしたかとあわて出す。


「りんごあめ好きなのか?」


まさかそんな訳ないと受け取れば、ほっと嬉しそうにしてまた笑う。

仲双は凛々しい顔してるくせに、そのコロコロ変わる表情のせいで格好いいってかむしろかわいい。

そこが好きだなんてのは恥ずかしすぎて死んでも言えねぇけど。


「はい!というか、昔よく姉上が買ってくれたから、なんだか懐かしくて」


ああ見えて姉は綺麗な物が好きだからと。
確かに孟隻は人も物も綺麗なものを見ると楽しそうだったと思い出す。
今の相手だって普通に見れば相当綺麗な部類だろう。

勿論目の前の仲双だって綺麗だから、構う時はそれはもう愛しそうな顔をして構うのだ。
仲双もそれが嬉しいらしく、ずいぶん楽しそうだから本当にこの姉弟は仲がいい。

…こっそり俺が妬くくらいには。
正直どっちに妬いているのかはよく分からないけども。


「一度なんか屋台のおじさんと腕相撲で勝負して、一番大きなのをタダで貰ってきてくれて」


笑いながら言われたその光景は、正直ものすごく簡単に想像できる。


「すっごく嬉しかったんですけど、小さかったからかなりお腹いっぱいになっちゃって大変でした」


それでもどうしても食べたくてねだった焼そばは、やっぱり半分食べきれなかったとか。
可愛がられているだけあってそんなかわいい思い出を仲双は山ほど持っているらしい。

…ここでまた孟隻に妬くだなんて、俺ぁ結構嫉妬深い方なのか?


「でも確かに、こうして見るとりんごあめって綺麗ですよね」


言って、仲双がくるりと棒を回せば、まるい飴はいくつも下がった提灯の光を受けてつやりと光る。
その光沢と綺麗な赤さが仲双の明るい髪によく似合う。


「元親さんの髪銀色だから、赤いのすごく映えます」


…なんて、にこにこと笑いながら言うから驚いた。
だってまさか仲双も自分と同じことを考えていたとは思わなかったしな。

それがなんだかやけに気恥ずかしくて嬉しくて変に焦った。
おまけにちょっと真面目な顔でこっちを向くから余計に。


「……、もしおれがこの飴みたいな簪持ってきたら…」


本当に焦ってたんだよ。だから


「元親さん、また受け取ってくれますか?」


追い討ちをかけるみたいなこのセリフで思わず逃げ出しちまったのは断じて俺の本心じゃないんだ。







うちのチカちゃんはヤンキーデレな隠れ乙メンぽいです。

直球押せ押せなワンコ主人公と、余裕…でもちょこちょこ照れて逃げ出すヤンデレチカちゃん。

…を目指したもののチカちゃんの可愛さが微塵も発揮されていない…なんと嘆かわしい…!笑



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